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2010年4月 2日 (金)

渡津海のたたずまい

3月半ばから宴会が続いている。私自身は会社員を辞めて「闘い」から降りて一年になるが、それゆえにか面白がっていろいろな送別会やら歓迎会やらに声がかかる。送別会のような大人数の時に、おいしいお店にめぐりあうことはあまりない。そのような宴会の合間に、四半世紀前にお世話になった方と神楽坂の「渡津海」に行った。

ここは違う。まず、刺身が並ではない。あんな赤貝はめったに食べられない。あるいは、シメサバの舌触り。そして筍の土佐煮や、新じゃがの土佐煮などの季節ものを頼む。
極めつけは、カレイのから揚げ。それをポン酢で食べるのだが、これは日本で一番おいしい。カキのフライも身がしっかりして相当の味わいだ。シメはもちろん梅雑炊。これは天下の絶品で、これを食べるためだけでも、渡津海に来た甲斐はある。たくさん酒を飲んで、一人だいたい8千円くらいか。

そして何より、お店自体のたたずまいがいい。まず、路地の奥にあって、知らなければたどり着けない。かつてあった場所から数百メートル引っ越して、内装は高級感が増したが値段は変わらず。前の場所から数えるともう何十回も来たのに、料理を運ぶ女性や板前さんが程よい距離を保ってくれる。短髪の板前さんが無言で包丁を動かすさまは、何とも絵になる。ほかの客が帰ったあたりで、二言三言世間話をする。こんな気持ちのいい店はめったにない。

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