安くてボリュームたっぷりでおいしいフランス料理2軒
先週は安くてやたらに量の多いフランス料理店にたて続けに行った。1つは神楽坂の「ラ・マティエール」、もう1つは三宿の「ブラッスリー・ドゥ・クワン」 。前者はコースのみ、後者はアラカルトだが、どちらも料理だけで5000円以内という安価なうえに、単なるビストロを超えた手の込んだ料理を供する。そして何より量が多く、どの1品もお皿にどっさりだ。
「ラ・マティエール」は4500円のコースを取ったが、前菜ではオランダ産の大きな白アスパラ3本のソテーが、食感もトマト味も絶妙だった。その前のアミューズのリエットとオリーブもさっぱりしていていい。
それに比べると子羊のローストは平凡だったが、この料理はニュージーランド産に頼る日本ではこんなものだろう。一緒に行った相手が注文した和牛のシチューを少しもらったが、こちらは柔らかくてうまい。そしてデザートのチョコレート・ムースも正統派のこってり味。内装といい、テーブルクロスや食器といい、この値段にしてはすいぶん贅沢気分を味わえる。
「ブラッスリー・ドゥ・クワン」 はそれに比べるとずっとくだけたカフェ風だ。訳すると「角のブラッスリー」という名の通り、三宿交差点の角の雑居ビルの4階で、窓から高速道路が見える。気さくな内装に比して、料理は手が込んでいるうえ、種類も多い。魚介のテリーヌやひな鳥のローストなどどれもうまい。「ラ・マティエール」が本格派フレンチとすると、こちらは少し創作系だ。
最初は2人の美女と一緒に品よく食べていたが、途中からシャンパン(もどき)さえ飲んでいれば幸福な友人が乱入したため、収拾のつかないことに。後半は何を食べたか覚えていない。相当騒いだはずだが、それもありな雰囲気の店だった(と思いたい)。
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