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2010年4月21日 (水)

『仏像図解新書』は究極の仏像入門

かつて(実はそんな昔ではない)、美術についての文章を書いていたことがある。しかし仏教美術については一度も触れていない。書こうにも、あまりにも知らなかったから。
先日、本屋で石井亜矢子氏の『仏像図解新書』という新書を手にして、思わず買ってしまった。著者と会ったことがあることもあるが、何より図解入りで仏像の見方を懇切丁寧に説明してあったからだ。

実際、本当に誰にでもわかるように書かれていて、究極の仏像入門だった。
まず、仏像は「如来、菩薩、明王、天」の四つのグループに分かれる。ヒエラルキーはこの順番だ。これはいわば姓で、この前に個の区別ができる「名」を組み合わせる。例えば釈迦如来は如来グループのお釈迦さまになる。菩薩には如来の補佐役という役割がある。例えば薬師如来は日光、月光菩薩を伴って三尊像を形成する。ふーん、何にも知らなかった。
そしてそれぞれの姓や名には、髪や衣服、手の組み方、座り方、立ち方、手に持つものなど細かい決まりがある。そのすべてが図解入りで解説してあって本当にわかりやすい。それぞれの仏像が実際どこの寺にあるかも住所入りで書かれている。仏さまのように親切(?)だ。今度この本を持って奈良に行きたくなった。

石井氏とは、ある仕事が終わった打ち上げで飲みに行った。彼女はほとんど食べずに静かに飲む。私は三軒目の神田の飲み屋で、完全に潰れた。石井氏は全く揺るがず、仏像のような美しい微笑を浮かべて飲み続けていた。石井さん、まだ飲んでますか?

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