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2010年5月

2010年5月31日 (月)

くせになるゾンビ映画

別にゾンビ映画にくわしいわけではないが、夜遅く地下鉄に乗っていると、疲れ切った人々の群れがゾンビに見えることがある。疲れてボーっと遠くを見ている人々。そんなことを思ったのは、6月12日公開のジョージ・A・ロメロ監督『サバイバル・オブ・ザ・デッド』を見たからだ。

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2010年5月30日 (日)

東浩紀氏と「インテリの力」

以前ここで、朝日新聞の論壇時評が4月から東浩紀に変わったことに触れて、「大丈夫か」と偉そうに書いていたが、数日前に出た2回目を見て驚いた。普通に「世界」や「中央公論」を論じているではないか。やればできるじゃん。

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2010年5月29日 (土)

『山のあなた 徳一の恋』と『按摩と女』

2年前に公開された石井克人監督の『山のあなた 徳一の恋』をようやくDVDで見た。かつて新聞記者の友人が絶賛していたのを覚えている。清水宏の『按摩と女』(1938)のセリフをそのまま使っていることも、話題になっていた。

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2010年5月28日 (金)

あさり料理三昧

4月くらいからあさりにはまっている。もう旬は過ぎたのかもしれないが、とにかくどう食べてもうまい。簡単に言うと、野菜を入れて酒と醤油で和食、ごま油で中華、白ワインとオリーブオイルとトマトで洋食になる。大事なことはホーロー鍋で蒸し煮にすることだ。できてから10分ほど置いておくと、なおうまい。

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2010年5月27日 (木)

今度のオルセー展はすごい

先日、東京は印象派展ばかりだと書いたが、国立新美術館で始まった「オルセー美術館2010――ポスト印象派」はその決定版だろう。他とは比較にならないくらい中身が濃い。過去3回開かれたオルセー展は、会場の東京都美術館が狭いこともあって60点程度で、それも版画や写真作品を含んでいたが、今度は絵画のみで115点。
国立新美術館は都美の約3倍の広さの会場で、そのうえ2階は特に天井も高い。それもあってか、大判の有名な作品も多数並んでいる。

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2010年5月26日 (水)

ドイツ人の演説好き

「日本人のパーティは冒頭に挨拶が多いからいやだ」と外国人によく言われる。確かにレセプションでビールを持ったまま、30分も挨拶があるのは嫌なものだ。ところが先日あるドイツ人のお別れパーティーがドイツ大使公邸で開かれたので行ってきたら、何と挨拶が4つで通訳の時間も含めて計1時間10分だった。

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2010年5月25日 (火)

『グリーン・ゾーン』と『<中東>の考え方』

最近は、イラク戦争後のアメリカの苦悩を描く映画が増えた。ちょっと前だとデ・パルマ監督の『リダクティッド』がそうだし、最近では『ハート・ロッカー』もそうだった。先日見た『グリーン・ゾーン』も『ハート・ロッカー』に似て、ハリウッド的なサスペンス効果を最大限に使いながら、イラク戦争の意味を問うという「まじめ娯楽映画」だが、違いはイラク人の視点があることだ。

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2010年5月24日 (月)

「文化的多様性」のいろいろ

先日、文化的多様性をめぐる会議に参加した。全く専門外だが、断りにくい方に頼まれたからだ。ユネスコが2005年に採択した「文化的表現の多様性」条約をめぐる話だったが、フランス人と話していてどうも文化的多様性という意味が、ヨーロッパと日本ではずいぶん異なる気がした。

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2010年5月23日 (日)

美術館という現代の化物

8月公開のドキュメンタリー映画『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』を見た。昨秋の山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映されたが見損ねた作品で、一部での好評は聞いていた。見てみると、ドゥパルドンの『モダン・ライフ』のような強い個性や手法の新しさはないが、淡々としていながらもなかなか見応えがあった。

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2010年5月22日 (土)

インドにインドカレーがないように

一週間前の朝日新聞の別刷りbeで、インドに駐在した記者の話があった。「サザエさんをさがして」というコーナーで、インドのネール首相が来日した時に、サザエさん一家がカレーを食べている漫画に関連した記事だ。そこには、インド勤務の時に、日本から友人が送ってくれた日本の甘いカレーに「泣けるほどの感動だった」と書かれていた。オチは、インドにある日本食材店では日本製カレーが日本人や欧米人には人気だが、インド人で買った人はいないという話。

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2010年5月21日 (金)

演出過剰の日本映画、その2

しばらく前に、演出過剰の映画について書いたけれど、またそんなことを感じさせる日本映画を2本見た。6月19日公開の『瞬(またたき)』と、7月3日公開の『ロスト・クライム』だ。

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2010年5月20日 (木)

落語調のゴーゴリを読む

数年前からドストエフスキーなどの古典をわかりやすい新訳で出すのが流行っているが、その代表である光文社から、ゴーゴリの『鼻』『外套』『査察官』が一冊で出ているのを見つけて買った。帯に「“落語調”新訳!」と書かれていたのが気になったからだ。訳は浦雅春氏で、これがめっぽうおもしろかった。

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2010年5月19日 (水)

多すぎる印象派展

とにかく今の東京は印象派展ばかりだ。マネ展がそうだし、ボストン美術館展も目玉は印象派だ。来週にはオルセー所蔵のポスト印象派展も始まる。そんななかでBunkamuraザ・ミュージアムで始まったばかりの「ストラスブール美術館所蔵 語りかける風景」展を見た。印象派展ではないが、目玉は印象派やポスト印象派の画家たちだ。

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2010年5月18日 (火)

70年代のアルトマンに唖然

いやはや驚いた。ロバート・アルトマンが1970年に作った『バード★シット』のことだ。アルトマンというのはもちろん『M★A★S★H マッシュ』で有名だが、同じ年にこんな珍品を作っていたとは。最近DVDで『三人の女』(77)を見てその不条理な感覚に驚いたが、これはその比ではない。

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2010年5月17日 (月)

米軍基地問題の恥ずかしさ

沖縄の米軍基地移転問題が、どんどんおかしな方向に向かっている。この点において鳩山首相の手際の悪さは決定的だが、どうも最近はそればかりに集中して、本質的な問題が論議されていないように思っていた。「なぜ、そして本当に日本に米軍基地が必要か」ということだ。最新の『週刊文春』では、内田樹氏のみがこの点に触れていて痛快だった。

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2010年5月16日 (日)

『ザ・ロード』の描くリアルな廃墟

戦争や疫病、温暖化などによって地球が廃墟と化した後の風景は、まさにこんな感じだろうという映画に出会った。今夏公開の『ザ・ロード』だ。地球滅亡後に生き残った人々を描いたSF映画は、『マッド・マックス』シリーズや『バイオハザード』あるいは『アバター』までいろいろあるが、大半はアクションかモンスター系の娯楽映画だ。この映画はちょっと違う。まるでドキュメンタリーのように、実際はこうだったのではと思わせて、見ていて背筋が寒くなる。

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2010年5月15日 (土)

カラダに効く食事と「動的平衡」

地下鉄駅の売店で雑誌を眺めていたら、『クロワッサン』最新号が「カラダに効く、野菜と魚の食べ方」という特集だったので、買ってしまった。「免疫力を上げる食べ方を知る」とか「沖縄野菜の栄養力」とか「野菜だけをことこと煮るスープストック」とかいう文字が表紙に踊っているだけで、もう健康になった気がして買ってしまう自分が情けない。

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2010年5月14日 (金)

『徒然草』の現代性:その(2)

高校の時に習った『徒然草』で絶対に出てこないのが、夫婦という制度を非難し、愛人関係を礼賛する部分だ。『徒然草』にこんな文章があるとは、実は今まで知らなかった。兼好には、家族制度そのものを否定するような過激さがある。とても高校では説明できない段だ。

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2010年5月13日 (木)

映画原理主義者ペドロ・コスタ

明らかに映画的才能に溢れているのに、あえて一般の人々には受け入れられないような映画を確信犯的に作り続ける監督がいる。ゴダール、アンゲロプロス、ジャームッシュ、キアロスタミなど世界中にいるが、そういう人々を「映画原理主義者」と呼ぶとすると、最近ではポルトガルのペドロ・コスタが一番だろう。7月公開の彼の新作『何も変えてはならない』の試写を見て、その思いを強くした。

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2010年5月12日 (水)

『徒然草』の現代性:その(1)

最近、このブログに本についての話を書いていないのは、ある一冊の本を丹念に読んでいたからだ。それは『徒然草』で、言わずと知れた古典だが、いつもの通勤途中の本屋でちくま学芸文庫版をふと手にした。本文の後に島内裕子氏の現代語訳と解説が載っていて、実に読みやすい。全文を読み通すと、これまで主に高校で学んだイメージとかなり違って、ずいぶん現代的な感じだ。

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2010年5月11日 (火)

簡単でうまいアクア・パッツァ

先週水曜日の朝日新聞朝刊に「アクア・パッツァ」の作り方が載っていて、あまり簡単そうなので作ってみたらシンプルな味で予想以上においしかった。メインの食材は、丸ごと一匹の鯛に、あさり、ミニトマト、黒オリーヴだけだし、時間は30分もかからない。

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2010年5月10日 (月)

『フェアウェル さらば哀しみのスパイ』の不思議な魅力

1980年代初頭のソ連で、「フェアウェル事件」と呼ばれるスパイ事件があったらしいが、実は覚えていない。KGBのスパイが機密情報をフランスに流していたというもので、それをもとにした映画『フェアウェル さらば哀しみのスパイ』の試写を見た。『戦場のアリア』のクリスチャン・カリオン監督らしく、ちょっと大味なドラマだが不思議と印象に残る映画だった。

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2010年5月 9日 (日)

今がチャンスのベネチア料理

銀座通り沿いの4月半ばにできた新しいビルにベネチア専門料理店が開店したというので、ベネチアに10回以上行ったことのある美女2人と行ってみた。「バラババオ」という名前で、2人のうちベネチアに数か月住んでいた方によればデザートに「ズグロッピーノ」(レモン味のアルコール入りシャーベット)があるから信用できる、という。結論から言うと、大当たりのレストランだった。

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2010年5月 8日 (土)

「オリエンタリズム」の大作2本

『オリエンタリズム』のエドワード・サイードが生きていたらきっと苦笑したような大作を2本見た。1本は7月3日公開のリュック・ベッソン監督の『アデル』、もう1本は5月28日公開のディズニー製作『プリンス・オブ・ペルシャ』。比べると出来は後者の方がいいが、あいかわらず西洋が東洋を自分勝手にイメージしたような大作だ。

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2010年5月 7日 (金)

猪熊弦一郎の軽やかなタッチ

猪熊弦一郎という名前を聞いたのは、いつのことだろうか。今も使われている三越の赤い包装紙や赤と青の紙袋のデザイナーとしてだった。その頃から名前はいつも気になっていたが、今回初台の東京オペラシティアートギャラリーの個展で初めてまとめて見て、その軽やかなタッチに心を奪われた。

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2010年5月 6日 (木)

飛鳥山公園のアルベール・カーン

20世紀前半に活躍したフランスの銀行家で、アルベール・カーンという人がいる。なぜ知っているかと言うと、ずっと前にパリ郊外にその博物館を訪ねたことがあるからだ。この銀行家は、1909年から1931年まで世界中にカメラマンを送って、世界中を写真や動く映像に収める「地球映像資料館」を作っていた。北区王子の飛鳥山公園にある渋沢資料館で「渋沢栄一とアルベール・カーン~日仏芸術家交流の軌跡~」展が開かれていたので、ようやく最終日に見に行った。

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2010年5月 5日 (水)

イタリア映画祭2010:その(4)

今回の映画祭の最大の収穫は何と言ってもマルコ・ベロッキオの『勝利を』であり、加えて彼本人が初来日したことだろう。舞台あいさつや座談会、そして映画美学校の講義で彼の話を聞いたが、なかなかおもしろかった。

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2010年5月 4日 (火)

大人も楽しめる子供向け映画2本

連休中にいい映画が少なくて、子供向け映画を2本見た。アメリカ映画の『アリス・イン・ワンダーランド』と日本映画の『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』で、ともに大人も楽しめるものだった。

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2010年5月 3日 (月)

イタリア映画祭2010:その(3)

明らかに映画の才能に恵まれているのに、確信犯的に地味な作品を作る監督がイタリアにもいる。『それもこれもユダのせい』のダヴィデ・フェラーリオと『頭を上げて』のアレッサンドロ・アンジェリーニがまさしくそうだ。

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2010年5月 2日 (日)

イタリア映画祭2010:その(2)

監督には旬というものがある。ベルナルド・ベルトルッチやホウ・シャオシェン、あるいはヴィム・ヴェンダースのように30代や40代で頂点に達してしまい、それを超えられない監督も多い。残念だけどそんなものだ。『ジュリアは夕べに出かけない』や『ハートの問題』を見て、その思いを強くした。

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2010年5月 1日 (土)

「国立美術館」の事業仕分けに失望

事業仕分けの第二弾で去年はなかった「国立美術館」が対象になっているので期待したが、結果には本当に失望した。裁定は「事業規模は拡充(適切な制度のあり方を検討するとともに、民間からの寄付、自己収入の拡大、コスト縮減といった努力を徹底し、国からの負担をふやさない形での拡充を図る)」。冗談かと思った。

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