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2010年5月 4日 (火)

大人も楽しめる子供向け映画2本

連休中にいい映画が少なくて、子供向け映画を2本見た。アメリカ映画の『アリス・イン・ワンダーランド』と日本映画の『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』で、ともに大人も楽しめるものだった。

『アリス・イン・ワンダーランド』は、手違いで3Dではなく2Dを見たけれど、それでも映像の奔放さは3Dで見た『アバター』をはるかに上回っていた。アリスが地下に吸い込まれてゆくシーンからすごい。アリスは小さくなったり大きくなったりするし、ウサギとか猫とか変な動物がどんどん出てくる。極めつけは青い目で赤い髪のジョニー・デップの登場だ。亡くなった清志郎みたいな感じで、出てくるだけで嬉しい。動物も含めた登場人物の造形力はさすがバートンだ。
よくわからないのは、なぜ赤の女王と白の女王に別れて対決が必要なのかということだ。赤の女性はアリスに勝つために突然恐ろしいクリエーチャーを送り込む。『アバター』や『第9地区』と同じく、最後はドンパチで締めるのが最近のSFに求められているのか。勝つのはアリスと白の女王で、すなわち白人の金髪の女性だ。これもWASP丸出しで今時どうだろうか。彼女を19歳にして成長物語の形をとり、最後は中国に貿易に行くというのだから、その無邪気な「帝国」的発想に驚く。

ティム・バートンが赤白の戦いに終わったと思ったら、『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』は、黒白の戦いだった。2025年、都知事によって東京は「ゼブラシティ」と改名され、警察は朝夕5時から5分間は逆らう民間人を無条件に殺していいという恐怖政治が行われていた。明らかに石原知事を思わせるような弱者いじめの政治だ。都知事の娘であるゼブラクイーンは、黒ゼブラー=ゼブラクイーンとしてボンデージ・ファッションを着こなし、人気を集めている。そこに立ち向かうのが白ゼブラーマンで、彼の後ろには「白馬の家」で虐げられた人々が集まっている。
結局は2つは合体して、エイリアンを飲みこむという安易な結末だけど、全体に漂う意識的ないいかげんさ、ちゃちさが何とも楽しい。「合体しよう」と言うと、せんべい布団に枕が二つ出てきたり、おやじギャグ満載だ。ゼブラクイーンを演じる仲里依佐の迫力満点の演技が全体を支配している。

共にキッチュな映像だけど、ティム・バートンが奔放な想像力と豊富な予算で優雅な世界を作り上げたのに対して、三池崇は低予算を逆手にとって、日本の日常感覚を一杯に詰め込んで、開き直りのユーモア溢れる日本のSFを作り上げていた。

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