« 演出過剰の日本映画、その2 | トップページ | 美術館という現代の化物 »

2010年5月22日 (土)

インドにインドカレーがないように

一週間前の朝日新聞の別刷りbeで、インドに駐在した記者の話があった。「サザエさんをさがして」というコーナーで、インドのネール首相が来日した時に、サザエさん一家がカレーを食べている漫画に関連した記事だ。そこには、インド勤務の時に、日本から友人が送ってくれた日本の甘いカレーに「泣けるほどの感動だった」と書かれていた。オチは、インドにある日本食材店では日本製カレーが日本人や欧米人には人気だが、インド人で買った人はいないという話。

インドに「インド・カレー」はない。たぶんジャワ島にも「ジャワ・カレー」はないだろう。かつてドイツのフランクフルトに日本人の芸術家数名と仕事で行った時、最初の夜に先方の美術館長が「何を食べたいか」と聞いたら、全員が声を揃えて「フランクフルト・ソーセージ!」と答えた。先方は「何だそれは?聞いたことがない」と言って、大笑いになった。

中国に「中華そば」がないように、フランスに「フレンチ・トースト」はない。イタリアのナポリにも「ナポリタン・スパゲッティ」はない。日本人が外国のものを勝手に日本風に作り変える例は、数限りない。国内で言えば、福岡の柳川に鰻重はあっても、「柳川鍋」はない。どうでもいい話だが、考えるとなかなかおかしい。こんな例はもっとあるのでは。

ちなみに「スパゲッティ・ボロネーゼ」はボローニャにあるし、「ニーズ風サラダ」はニースにあるし、「ジェノヴァ風ソース」もジェノヴァにあるからややこしい。その土地で生まれた由緒正しいものと、ほかの場所で勝手に想像したもの怪しげな産物と両方あるのだ。

|

« 演出過剰の日本映画、その2 | トップページ | 美術館という現代の化物 »

グルメ・クッキング」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/48422864

この記事へのトラックバック一覧です: インドにインドカレーがないように:

« 演出過剰の日本映画、その2 | トップページ | 美術館という現代の化物 »