« 落語調のゴーゴリを読む | トップページ | インドにインドカレーがないように »

2010年5月21日 (金)

演出過剰の日本映画、その2

しばらく前に、演出過剰の映画について書いたけれど、またそんなことを感じさせる日本映画を2本見た。6月19日公開の『瞬(またたき)』と、7月3日公開の『ロスト・クライム』だ。

『瞬』は始終テーマ音楽が流れて、「感動」のラスト・シーンに向けていささか強引に引っ張ってゆく感じだ。北川景子や大塚寧々という主役二人の演技がどこか思わせぶりだし、弁護士役の大塚の熊本時代のエピソードも取ってつけたような感じに見えた。かいま見える風景など、全体に丁寧に撮られている映画だが、物語そのものが私には受け付けなかったようだ。あまりお腹がすいていない時に、お砂糖とバターたっぷりのお菓子を食べた気分か。

それに比べると、『ロスト・クライム』の脚本は私好みだった。1968年の3億円強奪事件が、実は学生運動のグループが仕掛けたもので犯人たちの身元もわかっていたが、ある理由でもみ消されていたという設定だ。
最近のある殺人事件をきっかけにその謎に挑む定年間際の老刑事を奥田瑛二が演じ、彼を支える若手刑事役が渡辺大。骨太の映画だし、次第に謎が解けて行く感じもいいのだけれど、演出がちょっと古めかしい。奥田や渡辺の男女のからみとか、かたせ梨乃がピアノを「ダーン」と弾くシーンとか、昭和の頃ののテレビドラマみたいだ。元警察官僚でホームレスを演じる夏八木勲が、30代を演じるシーンもちょっと無理がある。
東映出身の伊藤俊也監督らしいと言えば言えるし、そのB級感覚を楽しめばいいのだけれど……。四半世紀前に見た『誘拐報道』はひどく感動した記憶があるが、今見るとどうだろうか。

|

« 落語調のゴーゴリを読む | トップページ | インドにインドカレーがないように »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/48414956

この記事へのトラックバック一覧です: 演出過剰の日本映画、その2:

« 落語調のゴーゴリを読む | トップページ | インドにインドカレーがないように »