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2010年5月17日 (月)

米軍基地問題の恥ずかしさ

沖縄の米軍基地移転問題が、どんどんおかしな方向に向かっている。この点において鳩山首相の手際の悪さは決定的だが、どうも最近はそればかりに集中して、本質的な問題が論議されていないように思っていた。「なぜ、そして本当に日本に米軍基地が必要か」ということだ。最新の『週刊文春』では、内田樹氏のみがこの点に触れていて痛快だった。

内田氏は、今回の問題には関係者(米政府、政府与党、沖縄県民など)みんなが満足する答えなどはなく、「同程度に不満な落としどころ」しかないという。それより、日本が米国の軍事的属国であるということを「恥じる」という、ぎりぎりの矜持だけは維持しなくてはならないと続ける。「『私たちは侮られている』という痛苦な現実をまっすぐにみつめることである。そこからしか話は始まらない」。
彼は、東アジアで韓国やフィリピンの基地が大幅に縮小された例も挙げている。もっと正面から「日本に米軍基地はいらない」という声を挙げた方がいいような気がしてきた。鳩山を馬鹿にしている場合ではない。この問題は日本の恥なのだ。

基地関係では、先週土曜の朝日新聞朝刊の「基地マネー当て外れ」「沖縄縛る振興策」の検証記事がおもしろかった。1面に加えて、中の1ページを丸々費やしている。基地を引き受ける代わりに、国から振興開発費として毎年2500億円もの助成金が沖縄に交付されているという。道路やコンサート・ホールなどを建てたようだが、記事の趣旨はこうしたカネが逆に自立を妨げているというものだ。「米軍基地再編交付金」というのも別にある。全国の基地の町に、毎年総額200億円以上が交付されているようだ。
成田空港や原発もそうだが、こうした見返りの補助金は、何より人々の心を確実に蝕む。

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 やっと決めて、6番ホールへと向かう、フラフラ賢夫人(笑)を写したものですが、不満げな表情がマスクで救われていますね(笑)。 上手な方は、決められた1本だけの、フェイス... [続きを読む]

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