1993年は日本の曲がり角
管直人新首相の誕生に際して、かつて新党さきがけの代表だった武村正義氏が、今朝の朝日新聞に寄せたコメントが妙に気になった。「私は細川内閣から今までを、明治維新、敗戦に続く、近代日本の第三の転換期と考えています」というくだりだ。つまり1993年の非自民政権の成立が、明治維新ほど重要と述べているのだ。
自らが係わった細川政権のことを歴史的重大事と位置付ける、政治家特有の自慢話の部分もあるが、確かに1993年以降のなんでもありの政治状況は、それまでになかったことだ。細川政権の後は、自社さという奇妙な連立で社会党の村山氏が首相を勤めたのだから。それから後は小泉の劇場政治があったり、麻生だの鳩山だの人気投票のようにコロコロ変わった。
1993年というのは、Jリーグ設立の年でもある。その頃からJポップが生まれ、いわゆる「J回帰」と呼ばれるプチ愛国的な雰囲気が生まれ、日本が一番という居直りが始まった。それから先は、2000年以降の韓流ブーム、純愛ブーム、邦画ブームへと日本人の「劣化」が続いてゆく。
他方1993年というのは、日本でシネコンが始まった年である。海老名市にワーナー・マイカルが、7スクリーンを持つシネコンをオープンさせた。それからは増える一方で、2009年末にはシネコンが8割を超えるようになった。アート系の映画館は減る一方で、洋画配給会社は続々と潰れた。シネコンでは当たるもの、つまりハリウッドの大作とテレビ局が作る邦画ばかりを上映するから当然だろう。
年間450本も邦画が作られ、邦画の興行収入が6割を占めている背景はそんなところだ。政治も経済も文化も軟化してゆく現象は、1993年から始まったのかもしれない。
よく考えたら、私はその年に最初の転職をしていた。それも「軟化」だったのか。
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