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2010年6月 4日 (金)

アートは究極のソフトパワー

先日の日経新聞夕刊に、オークション会社であるサザビーズジャパン社長の石坂泰章氏へのインタビューが載っていた。中国の美術品購入熱は高まる一方なのに、日本人は美術品を買わなくなった話のあとに、「アートは究極のソフトパワー」と訴えていた。

私が日ごろ考えていることに近いので、そのまま引用する。
「例えば地方公立美術館の所蔵している西洋美術が“赤字の元凶”と呼ばれることがあります。しかしちょっとした工夫で観光客を誘致し、雇用を生む"産業"に変えられます。日本には上質の作品が多数存在しているけれど、あちこちに分散してしまっている。これらを全国で3館くらいに集約し一堂に会して鑑賞できるようにすれば、海外からお客さんを誘致できる立派な観光資源になります。アジアで、レンブラントからウォーホルまでを系統だって鑑賞できる国は日本だけです。ある意味で“埋蔵金”の活用といえるのではないでしょうか」

例えば東京に西洋美術を、京都に日本美術を地方から集めたら、相当の内容になるのではないだろうか。現在開催中のボストン美術館展をはるかに上回る内容になるのは確実だ。一年間に百万人は集められるだろうから、所蔵する自治体にある程度の借料を払っても黒字になる。

とりあえず所蔵品のない国立新美術館で一年単位で始めたらどうだろうか。オルセーなど海外の美術館に毎回数億のお金を払ってばかりいるのは、あまりにも情けない。それに、マスコミ主催の海外大型美術館展と旧態依然の公募展と美術館学芸員の趣味的な現代美術展とが混在する国立新美術館は、どう見てもヘンだ。日本の美術界の退廃的な居直りのように見える。

ルネ・マグリットの代表作『大家族』がいつも宇都宮市にあるのは、日本のためにも世界のためにも、もったいない。

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