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2010年6月16日 (水)

『パラレル・ライフ』の奇妙な魅力

最近の韓国映画には、出来不出来は別にしてこの国ならではの過剰さが漂っている気がする。7月24日公開の『パラレル・ライフ』は、決して『母なる証明』や『息もできない』のような傑作ではないが、奇妙な魅力に満ちている。内容も技術もテンコ盛りで、人間のあらゆる感情がごった煮で迫ってくる感じだ。

題名は、異なる時代の二人の人間がほぼ同じ運命を繰り返すという法則を指す。リンカーンとケネディがその典型らしい。この映画は、エリートの判事が30年前の判事と同じ運命を繰り返すという話で、妻が殺され、自分や娘、部下も狙われる。サスペンス、アクション、ホラーまで合わさった昔のテレビのサスペンス劇場という感じだが、最後まで真犯人はわからず、見ていていつのまにか力が入る。
30年前の映像をはさみ込んだり、スローモーションや細かいカットバックなど、映像も凝りに凝って迫ってくる。見ていると途中でストーリーが破綻しているところもあるが、そんなことはどうでもよくなってくる。とりあえず映像の洪水に流されてゆく感じか。

B級かもしれないが、勢いのある韓国映画ならではの魅力あふれる作品だ。

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