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2010年7月

2010年7月31日 (土)

ドキュメンタリー映画の醍醐味:『ハーブ&ドロシー』

ドキュメンタリー映画の場合、撮られる対象がおもしろいと、それだけでいい映画になる。とりわけ非凡で魅力的な人間にカメラが当てられた時は最高だ。数年前に『ミリキタニの猫』を見た時につくづくそう思ったが、久しぶりにそうしたドキュメンタリーを見た。11月に公開される『ハーブ&ドロシー』で、偶然だが『ミリキタニの猫』と同じくニューヨークを舞台にしたアートの話で、制作に日本人が係わっている点も共通している。

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2010年7月30日 (金)

原節子の生き方と貴田庄氏の書きぶりの爽やかさ

貴田庄氏の書き下ろし『原節子 あるがままに生きて』を読んで、その爽やかな読後感を楽しんだ。欲がなく、まさに「あるがままに生きて」きた原節子を描く貴田氏のタッチも気負いがなく、原節子の生涯を淡々と伝えてゆく。

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2010年7月29日 (木)

ペドロ・コスタが語るポルトガル映画史

9月17日からフィルムセンターで「ポルトガル映画祭2010」が開かれるが、その盛り上げのために『何も変えてはならない』の公開を31日に控えたペドロ・コスタ監督が、ポルトガル映画史について語った。
彼の最初の来日に係わった縁もあって、久しぶりにアテネ・フランセに出かけて行ったが、これが思いのほかおもしろかった。

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2010年7月28日 (水)

パスポート更新に考える

10年ぶりにパスポートを更新した。手数料が16000円(うち2000円は東京都手数料)もかかったのにも驚いたが、新しくもらったICチップ入りのポスポートの真ん中あたりの妙な厚紙も珍しかった。この部分に私の情報が入っているとすると、ちょっと見てみたい。あるいは今後パリに行ったりするたびに、その記録が残るのだろうか。古いパスポートと比べてみると、違いはほかにもある。

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2010年7月27日 (火)

真夏に読むオルテガ

最近、四半世紀ぶり(つまり学生時代以来)に映画を見たり本を読んだりすることが多いが、オルテガ・イ・ガセットの『大衆の反逆』もそうだ。文庫に入っているのを見つけて読んだが、これが現代のポピュリズム状況を言い当てていておもしろい。

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2010年7月26日 (月)

買ってはいけない:『クロワッサン』最新号

『クロワッサン』の最新号が「いつまでも丈夫でいたい、目と鼻と脳の健康」という特集だった。そのどれもに自信を失いつつある私は思わず買ったが、これがひどい内容だった。

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2010年7月25日 (日)

音楽映画は勝利する:『ベンダ・ビリリ!』

音楽映画は勝利する、といいながらも最近は『オーケストラ!』とか『アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち』のような、いささか消化不良が起きそうな映画が増えた。それらに比べると、9月に公開される『ベンダ・ビリリ!~もう一つのキシャサの奇跡』は期待を裏切らない極上の音楽映画だ。

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2010年7月24日 (土)

黒澤明生誕百年:その(2)

最近出たばかりの西村雄一郎著『黒澤チルドレン』を読んだ。世界中の監督がいかに黒澤を尊敬していたかという本で、スピルバーグからコッポラ、スコセッシなどは想像していたが、何とタルコフスキー、フェリーニ、ヘルツォーク、カサヴェテスまで、外国の監督だけで19人。

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2010年7月23日 (金)

フランスのスノッブ事情

2週前の仏誌「ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール」に、「スノッブはこの夏をどう過ごすべきか」という特集があって、おかしかった。「スノッブ」というのはフランスというかパリでは実に重要な言葉で、一言で言うと「気取りたい、他人と違う存在でありたいが、気取っているとは思われたくない」、という感じか。経済危機の昨今、「ネオスノッブ」という新しい人種が現れたようだ。

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2010年7月22日 (木)

「新聞の映画評」評:7/16『華麗なるアリバイ』など

先週金曜の夕刊各紙は、『借り暮らしのアリエッティ』を大きく取り上げていたが、それ以外はバラバラだった。日経は『インセプション』、朝日は『華麗なるアリバイ』と『ぼくのエリ 200歳の少女』、読売は何と『シュアリー・サムデー』と『エアベンダー』。ジブリアニメ以外は、決め手を欠いたハリウッドや日本の娯楽作で揺れている様子がわかる。問題は朝日のみ大きく取り上げた『華麗なるアリバイ』だ。

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2010年7月21日 (水)

ブルース・リー再び

江戸木純氏の『世界ブルース・リー宣言』が送られてきた。帯には「テロ、紛争、経済破綻、地球温暖化……いま、世界にはブルース・リーが足りない」と書かれている。読んでみると派手な装丁や帯にも劣らないくらい中身にも力がこもっていて、改めてブルース・リーの偉大さについて考えてしまった。

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2010年7月20日 (火)

「有元利夫展」あるいは日本の中の西洋

東京都庭園美術館で開かれている「有元利夫展」を見た。初期ルネサンスのピエロ・デラ・フランチェスカの絵に出てくるような女性が、不思議な空間にたたずむ絵の数々は、真夏に見るとどこからともなく涼風が感じられる。s彼の描く西洋と日本の心地よい混淆は、庭園美術館のような、西洋のアール・デコを真似て作られた建物にピッタリだ。

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2010年7月19日 (月)

フランス映画らしさとは

最近、フランス映画らしさとは何かと考えるような2本を見た。10月9日公開の『冬の小鳥』はフランスと韓国の合作で、韓国の監督が全編韓国で撮影しているにもかかわらず、どこかフランス映画のようなタッチだ。11月6日公開の『100歳の少年と12通の手紙』は、フランス映画とは思えないほどファンタジックな演出が際立つ。

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2010年7月18日 (日)

読売新聞土曜朝刊は「ナベツネコーナー」?

昨日の読売新聞朝刊を読んでいたら、一面に中曽根元首相の寄稿があった。二面にまでわたる長文だがこれがめちゃくちゃで、管首相を「管君」と書き、最近の政治家はサムライ魂がないなど、耄碌老人の戯言だった。

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2010年7月17日 (土)

不良外人が闊歩する国、日本

先日、ある展覧会のオープニングに行ったら、入口で警備員ともめている外国人がいる。近くで見ると、いろいろなパーティでよく見るアメリカ人で、「招待状は会社に忘れてきたからね」と日本語で大声で言って、強引に入っていった。彼の後ろには2人の友人がぴたりとついている。会場に入ると、彼らは展覧会を見ずにまっすぐにレセプション会場に行き、シャンパンを飲み始めた。日本にはこうした不良外人が、いまだに闊歩している。

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2010年7月16日 (金)

なぜかドイツの現代小説を読む

ふだんは外国の現代小説は読まない。突然、ヴィルヘルム・ゲナツィーノというドイツの作家の『そんな日の雨傘に』を読んだのは、その帯に書かれた「46歳、無職、つい最近、彼女に捨てられた。どこにも居場所がない……」という文句に妙に惹かれたからだ。読んでみると、当たりだった。

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2010年7月15日 (木)

夏が来れば、思い出す

7月の今頃になると、毎年思い出すことがある。前に勤めていた会社で異動を言い渡された時のことだ。まだ数年しかたっていない。私よりほんの少し年上の女性の上司に、「ちょっとお茶を飲もう」と誘われた。数年先の企画の交渉のために出掛けたパリ出張から帰って、2日後だったと思う。

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2010年7月14日 (水)

マン・レイ秘蔵のマン・レイ

マン・レイの展覧会なんて日本で何度やったことか。そうでなくても、ポンピドゥ・センター展などでもマン・レイは必ず展示される。しかし今回国立新美術館で始まったマン・レイ展は、本人が所蔵していた作品を中心に所蔵するマン・レイ財団から借りたもので、今までとは一風違う。

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2010年7月13日 (火)

するする入る『美学入門』

中井正一の『美学入門』が文庫になっていたので、思わず買った。大学生の頃に美術史の授業で取り上げられたので、図書館で借りて読んだ記憶がある。当時は何もわからなかったが、今読んでみるとするすると入ってゆく。

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2010年7月12日 (月)

「新聞の映画評」評:『必死剣鳥刺し』

「鳥刺し」というと、まるで鳥の刺身というか、ソバ屋で食べる「鳥わさ」みたいな感じで見る気がおきなかったが、金曜の夕刊で各紙ベタボメだったので驚いた。朝日の石飛記者、読売の恩田記者はともかく、日経で中条省平氏が絶賛していたのを見るに及んで、慌てて丸の内Toeiに見に行った。

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2010年7月11日 (日)

民主党に投票しよう

このブログではいわゆる政治の話はしないのが通例だが、今日の参院選の投票では、「民主党に投票しよう」とあえて呼びかけたい。なぜなら最近の世論調査が示すように民主党が過半数割れすることになった場合、今よりよくなるとはとても思えないからだ。以下、その理由を書く。

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2010年7月10日 (土)

まだまだオリヴェイラの魔術は続く

ポルトガルの巨匠、マノエル・デ・オリヴェイラが100歳で撮った『ブロンド少女は過激に美しく』を見た。相変わらず気品あふれる画面で、不可思議な物語が進んでゆく。この後にもう一作今年のカンヌで発表した『アンジェリカ』があってこれも公開予定らしい。オリヴェイラの魔術はまだまだ続く。

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2010年7月 9日 (金)

シャガールを見直す

シャガールと言えば、空を飛ぶ恋人たちを明るい色で描くメルヘンタッチの画家という印象が強い。かつては毎年のように日本のどこかの百貨店でシャガール展が開かれていて、そうした絵画ばかり目にしてきた。だから今回またシャガール展をやると聞いてあまり気乗りはしなかったが、展覧会の副題に「ロシア・アヴァンギャルドとの出会い~交差する夢と前衛~」と書かれているのを見てちょっと気になった。実際に見てくると、これが予想を上回るおもしろさで、シャガールを見直した気分だ。

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2010年7月 8日 (木)

銀座で日本茶を飲む

日本に来たばかりの外国人と喫茶店に行って、「日本茶」を注文されて困ったことが何度かある。そういう時は「日本では日本茶は無料で出すから、お金を払って飲む習慣がない」とか適当に説明していた。しかしそれではペットボトル入りお茶の隆盛は説明できない。
自分でも、年を取ると人と打ち合わせるのにコーヒーは刺激が強すぎるので、日本茶の喫茶店が欲しいなと思っていた。先日、そんな店を銀座のど真ん中に見つけた。

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2010年7月 7日 (水)

予想通り『母-オモニ-』に泣く

川本三郎氏の『いまも、君を想う』に続いて、亡くなった家族を悼む有名人の本を読んだ。姜尚中の『母-オモニ-』のことだ。今度は妻ではなく、母親の話。それも在日で戦後苦労してきた女性の生涯を描いたものだ。本を手に取った瞬間から泣けそうになったくらい泣く予感があったが、その通りになった。

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2010年7月 6日 (火)

今年の夏はアート系映画が花盛り

偶然だと思うけれど、今年の夏はヨーロッパを中心とした強烈なアート系映画が勢ぞろいだ。既に『あの夏の子供たち』や『モダン・ライフ』、『パリ二十区、僕たちのクラス』は上映中だし、18日には『華麗なるアリバイ』が始まる。ここまではフランス映画だが、31日に始まる『何も変えてはならない』はポルトガルの監督で、『ルンバ!』と『アイスバーグ!』はベルギーの2人組監督だ。アート系というには大がかりな内容だが、同じ日にフランス映画『フェアウェル さらば悲しみのスパイ』も公開だ。
1週間後の8月7日には2年前の東京国際映画祭で話題になったスペイン映画『シルビアのいる街で』とイラン映画『ペルシャ猫を誰も知らない』、それからフランス映画『セラフィーヌの庭』が始まる。

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2010年7月 5日 (月)

レストランで「ハッピーバースデー♪」をやらかす

レストランで仲間と盛り上がっている時に、電気がぱっと消えて「ハッピーバースデー♪」の歌が聞こえてくるほど不愉快なことはない。何となく手を叩かざるをえず、苦笑いをしてしまう。自分ではそんなことは決してすまいと思っていたら、先日友人I氏の50歳の誕生パーティーをやった時、気がついたら自分たちのテーブルがその状態だった。

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2010年7月 4日 (日)

学会という不思議な存在

大学の教師になって、主な仕事は教育と研究と言われた。教育は授業が中心だからまだわかりやすいが、研究というのは正直よくわからない。発光ダイオードの研究ならその意義もわかるけど、「○○という作家における××の影響」などという研究に何の意味があるのか、あまりよくわからない。もっとわからないのが、専門分野の研究活動を推進する団体として存在する「学会」というものだ。

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2010年7月 3日 (土)

それでも『いまも、君を想う』に心を動かされる

有名人が亡くなった妻の思い出を本にする、そんなものは普通は読みたくない。ましてや『いまも、君を想う』などと題を付けて、妻の写真を表紙にするなんて、恥ずかしいにもほどがあると思う。そんな暴挙に出たのが川本三郎氏の本だが、読んでみるとなかなかおもしろくて、心を動かされる。

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2010年7月 2日 (金)

「新聞の映画評」評:『モダン・ライフ』

今日の夕刊各紙にはまた新しい映画評が揃うので、その前にぜひ書いておきたい。先週末に公開された『モダン・ライフ』の扱いについてだ。私の見たところ、大きなスペースを割いた映画評を載せた新聞は一つもなかった。何という見識のなさだろうか。

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2010年7月 1日 (木)

今の時代に年率10%の利益を得る方法

銀行の定期預金の利子が低い。それでも去年までは新生銀行などの外資系(もと日本の潰れた銀行)だと、1千万円までの政府保証付きで年に2%近い利率があったが、そういうところも今では0.5%あったらいい方だ。株式をやる暇がない、あるいはそこまではやりたくない、という人には外貨預金がたぶん一番手軽で楽しいと思う。

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