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2010年7月 6日 (火)

今年の夏はアート系映画が花盛り

偶然だと思うけれど、今年の夏はヨーロッパを中心とした強烈なアート系映画が勢ぞろいだ。既に『あの夏の子供たち』や『モダン・ライフ』、『パリ二十区、僕たちのクラス』は上映中だし、18日には『華麗なるアリバイ』が始まる。ここまではフランス映画だが、31日に始まる『何も変えてはならない』はポルトガルの監督で、『ルンバ!』と『アイスバーグ!』はベルギーの2人組監督だ。アート系というには大がかりな内容だが、同じ日にフランス映画『フェアウェル さらば悲しみのスパイ』も公開だ。
1週間後の8月7日には2年前の東京国際映画祭で話題になったスペイン映画『シルビアのいる街で』とイラン映画『ペルシャ猫を誰も知らない』、それからフランス映画『セラフィーヌの庭』が始まる。

これまで触れていない『ペルシャ猫を誰も知らない』と『シルヴィアのいる街』について一言。

『ペルシャ猫を誰も知らない』は、『亀も空を飛ぶ』が話題になったバフマン・ゴバディ監督の新作だが、最近配給元からのメールで、監督の来日が中止になったと知った。そもそも西洋文化の規制が厳しいイランでロックを歌うバンドを主人公にした映画なので、撮影は非合法らしい。主人公の2人も監督もこの映画を撮った後に国外に逃れたという。監督は現在イラクのクルド人自治区にいるが、パスポートの査証ページがなくなったので在外のイラン大使館で請求したが、出してくれないという。
この映画は去年の「東京フィルメックス」で見た。出だしは大都会テヘランを見せるドキュメンタリー調の軽いタッチだが、次第に当局の目を逃れながら音楽活動をする若者たちの辛い日常が描かれる。何とか音楽活動を続けたい登場人物たちは海外への逃亡を考える。一見、日本の若者とほとんど同じノリでロックをやっているように見えるが、イランでは命がけの行為なのだと知る。

『シルビアのいる街で』は、一昨年の東京国際映画祭で見た。スペインの監督だが、あのビクトール・エリセ監督が蓮實重彦氏に是非見て欲しいとメールを送ったことから、話題になった。外国人の男がストラスブールの街で見かけた女性の後をつけてゆくというだけの映画だが、ヌーヴェル・ヴァーグの初期のような瑞々しさがある。

国内の映画祭で上映された映画が、時間がかかっても映画祭がきっかけとなって劇場公開につながるのは、すばらしいと思う。映画祭の意味の一つはそこにある。

ここに挙げた11本は監督の国籍はいろいろだが、『ペルシャ猫を誰も知らない』以外はフランス語の映画だ。まだまだアート系でフランスは隠然とした力を持っているということか。さて、これらの映画は新聞でどのような扱いを受けるだろうか。

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