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2010年7月25日 (日)

音楽映画は勝利する:『ベンダ・ビリリ!』

音楽映画は勝利する、といいながらも最近は『オーケストラ!』とか『アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち』のような、いささか消化不良が起きそうな映画が増えた。それらに比べると、9月に公開される『ベンダ・ビリリ!~もう一つのキシャサの奇跡』は期待を裏切らない極上の音楽映画だ。

2004年、2人のフランス人が路上の障害者ミュージシャンたちと出会うところから映画は始まる。最初はフランス人特有の自分中心のドキュメンタリーかと身構えたが、さにあらず。彼らは何とかレコーディングにこぎ着けようとするが、メンバーの多くが住む施設が火事になったりしてなかなか進まない。
2006年、ようやく野外録音に成功してからは、とんとん拍子。最初のコンサートの謝礼800ドルをメンバーに分けるシーンや初めてパスポートを手にするシーンなどは心に残る。
それからは、フランスをはじめとして欧州各地でのコンサートで成功を重ねる。フランスのベルフォール音楽祭では、最初は観客が少なかったのに、曲が進むにつれてどんどん人が増えて、終わりには大歓声を浴びる。
ロジェという少年がいい。空き缶に弦を張った手製の楽器で見事な音を出す。メンバーに見出された時は15歳の少年だったが、2009年のコンサートでは見違うような立派な大人になっている。

車いすに乗った障害者の音楽と聞いて最初はちょっと怯んだが、単純に音楽としてすばらしく、人間の成長ドラマとしてよくできた映画だと思う。10月には彼らのコンサートもあるらしいが、聞いてみたいと思った。

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