« 真夏に読むオルテガ | トップページ | ペドロ・コスタが語るポルトガル映画史 »

2010年7月28日 (水)

パスポート更新に考える

10年ぶりにパスポートを更新した。手数料が16000円(うち2000円は東京都手数料)もかかったのにも驚いたが、新しくもらったICチップ入りのポスポートの真ん中あたりの妙な厚紙も珍しかった。この部分に私の情報が入っているとすると、ちょっと見てみたい。あるいは今後パリに行ったりするたびに、その記録が残るのだろうか。古いパスポートと比べてみると、違いはほかにもある。

まず開いてすぐのページが横書き。これまでも横書きだが、横長にして読むシステムで、縦長のパスポートにそぐわなかった。今回は大半が縦長のまま読める。旧版はそこからすぐに「注意」が6つ並んでいたが、これは日本人向けなので、今回は文末になっている。
今回の最大の違いは、「注意」の次の最終頁に「万一、海外で危険に遭遇した場合には、日本国大使館又は総領事館、あるいは日本の外務省に連絡してください」と書いて、外務省の代表番号まで書いてあることだ。ようやく日本の外務省が「邦人保護」を考え始めたか、と思った。

考えてみると、かつての在外の日本大使館は、「邦人保護」という大使館の最大の仕事を完全に無視していた。大使館に行っても、勤務時間以外は閉まっていて、緊急連絡先も書かれていなかった。自分たちは外交官で、高尚な外交が仕事だから、観光客や留学生は相手にしない印象があった。わずか10年前まで、その発想がパスポートにも表れているからおもしろい。

すぐに出てこないが、最初にもらったパスポートは自分の名前や写真のページが最終頁にあった。外国の税関でいつも係の人が「写真はどこだ」と探していた記憶がある。そのうえ、一回り大きくてポケットにはいらなかった。これは1980年代のことだから、そんなに昔ではない。そういえば、一時期は青い色のパスポートの時代があった。「赤は日本人だとすぐわかるから危ないから」と新聞に載っていた記憶があるが、青いパスポートが世界中にあることがどうしてわからなかったのだろうか。日本の外務省はいったい何をしていたのだろうか。

外務省と言えば、外国との交渉は、必要な省庁や閣僚がすぐに出かけて行く時代だ。かつてのように本国からの電信指令を現地にいる大使が伝える形は終わっている。私は現代の大使館は、自国民保護と外国人へのビザ発行のための最小限の機関にすべきだと思う。東京にある外国の大使館のパーティーや夕食会に出かけると、本当に無駄なカネを使っているなと感じる。外交官には日本も外国も二世や三世が多いが、全く時代遅れの現代の貴族だと思う。

そういえばICパスポートということで私の持参した写真は、顔部分が小さすぎると言われた。「隣の店で写真が撮れますよ」と言われて行くと、2枚で1500円。高すぎると思って有楽町駅で3分間写真を撮って持って行った。5枚で700円。どうしてこの機械を申請窓口の近くに置かないのだろうか。自動車の運転免許証交付場所と同じく、近くの業者とつるんでいると言われてもしょうがない。これは外務省ではなく、東京都の問題だが。

|

« 真夏に読むオルテガ | トップページ | ペドロ・コスタが語るポルトガル映画史 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/48994092

この記事へのトラックバック一覧です: パスポート更新に考える:

« 真夏に読むオルテガ | トップページ | ペドロ・コスタが語るポルトガル映画史 »