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2010年8月17日 (火)

アラン・デュカスの料理本は使える

これまで3つ星シェフの料理本というと、だいたい7000円とか1万円とかする高級仕様の翻訳本で、日本には食材がないからほとんど作れない、というタイプのものが多かった。しかし最近出たアラン・デュカスの本「アラン・デュカスの一皿フレンチ」は全く違う。一冊1200円の薄い本で、今のところ「米」編と「魚」編が出たところだが、完全に日本向けに作られている。

まず4人前で1500円から3000円前後の材料費のものしか掲載されていない。各編とも10種類の料理しか載っていないが、どれも自分でもできそうなものばかりなので、たくさん載っていても実現可能性が低い本よりも使える。

試しに作ってみた。どちらも表紙になっている料理で、ひとつは「かぼちゃと生ハムのリゾット」、もうひとつは「いわしのグリルとラタトゥイユ バジル風味」で、どちらも簡単で実に繊細な味に仕上がった。生ハムを炒めたものと生の両方で食べるというのがいいし、いわしはバジルの葉が効いた。

各料理の手順も写真が30枚近く使ってあって細かい。シェフの一言も楽しく役に立つし、それぞれ最適な鍋の種類と合うワインが書いてあるのもいい。「さばのマスタード風味」は合うワインとして「新潟の吟醸酒」と書いてある。
デュカスと言えば、フランスで三つ星を2つ、一つ星などを足すと確か10以上星を持っている人だ。その人にして、徹底的に日本のマーケッティングをやっているのがすごい。

ところでだいぶ前に、銀座のシャネルの上の「ベージュ」で食べたことがあるが、ピンとこなかった。どれも斬新な料理で、なぜかほとんどの料理に別にスープをかける。正直なところ、凝り過ぎて何を食べているかわからなかった。偶然にデュカス氏がいて、客に手を振っていたが。

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