« ヌード映画2本 | トップページ | アニメの不思議さ »

2010年8月11日 (水)

六本木で展覧会2本

久しぶりに展覧会のオープニングに行った。サントリー美術館の『鍋島』展。チラシにあった松の木をデザインした青磁が気になったからだ。その後、森美術館で『ネイチャー・センス』展を見た。鍋島の作りだす世界は、森美術館の現代美術より、はるか遠くを見ているような気がした。

「鍋島」というのは、江戸時代に差が半から徳川将軍や諸大名への贈り物として作られた最高級の磁気という。描かれているのはいわゆる花鳥風月だが、その空間造形力はすごい。とりわけ私は青磁などの青と白のみの作品に惹かれた。曲がった老松の美紀や枝と松葉だけでできあがる小宇宙の完璧さ。あるいは3匹の鷺が正面、右、横を向いて静かに休む手前に大きな蓮の葉をしらった図柄の静謐な強さ。家に帰ってカタログを見てもため息が出る。
涼しい青の造形が猛暑にピッタリの展覧会だ。10月11日まで。

森美術館の方は、3人の日本人の現代美術展で、すべて大型の作品だった。吉岡徳仁は雪が降る風景を人工的に作り出し、篠田太郎は巨大なスクリーン3つで現代社会を見せ、栗林隆は大地を思わせるインスタレーション。どれも迫力があるし、トリッキーな最近の現代美術に比べて空間造形の強い意志を感じさせる。
特に栗林の作品は、地面の下に潜って顔を出したり、山の上に登って眺めたりという体験ができて楽しい。考えて見たら3人とも自然や社会の疑似体験をする作品だ。しかしながらそれらの疑似体験を楽しみながらも、どこか壮大な浪費のような気がしてしまう。11月7日まで。

鍋島のあまりにも完璧な小宇宙の前には、かなり良質の現代美術でさえもどこか不完全に見えるし、それ以上に徒労感が先に立ってしまう。

|

« ヌード映画2本 | トップページ | アニメの不思議さ »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/49119252

この記事へのトラックバック一覧です: 六本木で展覧会2本:

« ヌード映画2本 | トップページ | アニメの不思議さ »