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2010年8月 5日 (木)

地下鉄一元化問題

昨日の朝刊各紙で、国と都が東京メトロと都営地下鉄の一元化の会議が開かれたニュースが載っていた。前から石原知事が言っていたことで、もともと石原知事は嫌いだが、今回は大賛成だ。

2系統に分かれていることで、とにかく料金が高くなるし、それ以上に乗り換えが不便だ。副知事の猪瀬直樹が先日テレビで見せていたが、九段下駅は実はメトロと都営は同じホームを薄い壁で仕切っている。非常ドアを開けると乗り換えはすぐだ。ところが現在はいったん登って改札をくぐってまた降りるので、3分はかかる。何という非効率。

そもそもこんなに私鉄が乱立している東京や大阪は世界に例がない。少なくとも私が行ったことのある世界中の大都市は、国鉄(あるいはその民営化版)と地下鉄の2つしかない。結果としては利用者は乗り換えるごとに料金を払うから、東京や大阪は世界で最も交通費がかかる都市になった。統計はないが、実感としては東京はニューヨークやパリに比べて交通費が5倍くらいかかっている気がする。
成田空港の絶望的な遠さもそうだが、東京がグローバルな都市として生き残ろうとするには、これは致命的である。交通費は会社の経営にも影響する。資本だけではなく、観光客だって遠ざかる。日本に来た外国人が、東京の交通機関はわかりにくく、高いと言うのをいつも私は聞いてきた。

日本の場合、明治以降の都市の形成を私企業が担ってきた歴史がある。東急や西武のように、自ら鉄道を作り、ターミナル駅に百貨店を作り、沿線を開発して遊園地や宅地まで作るというケースは世界に類がない。それが日本型の住みやすい都市を作ってきた半面、都市の景観や利用者の利便性は二の次にされてきた。しかし21世紀には、このタイプの企業丸抱えパターンは古いように思える。

とりあえず、東京メトロの株は国と都が半々で持っているから話は早い。一刻も早く一元化して欲しい。財務省は経営状態が少し劣る都営地下鉄と合併するよりは、早く上場して国の株を売り、政府の赤字を埋めることを考えているようだが、一元化はもっとレベルの高い問題だと思う。

日本人にとって住みやすい都市にすることが、結果として観光立国にもつながる。

そういえば、15年ほど前に東京メトロ(当時は営団地下鉄)の上野の本社で、大騒ぎしたことを思い出した。タイアップ企画をめぐって、営団側が急に「こんなに商業的なら降りる」と言いだしたからで、上から下まで本当に官僚的な嫌な連中だった。

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