「ブラスリー」と「ビストロ」
先週はいつもの5人組でブラスリーに行き、今週は試写で会った知り合いとビストロに行った。もちろん東京の話だ。渋谷の「ブラスリー・ヴィロン」と東銀座の「ビストロ・ヴィヴィエンヌ」。どちらもフランスの気楽な料理でおいしかった。
ヴィロンでは、最初からタルタル・ステーキを注文。あと2つということでまず押さえる。6月に行った恵比寿の「ポ・ブイユ」でなくなっていたので、今日こそはという感じ。これはうまかった。それにカモのコンフィにクスクス。前菜は何だったか記憶にない。たぶんスモーク・サーモンとニース風サラダ。最近の東京の「ブラスリー」はそこそこお金を取る。「ヴィロン」でも前菜で2千円前後、メインで3千円前後。フランスでもそんなに安くはないが。みんな制服をばっちり決めて、それ以上に内装は相変わらずのアール・ヌーヴォーというのもパリと同じ。もちろんパリと違って、最近それらしく作ったものだが。
パリのブラスリーとの最大の違いは料理だろう。あちらはステーキ、タルタル、シュークルートが定番。クスクスはまずありえない。「ブラスリー」というのがもともとビール屋を意味するから、アルザス料理が中心だ。メニューは定番で印刷してあり、黒板には普通書かない。黒板に書くのはカフェで料理も出す場合の「今日の料理」くらいか。そういうところを「ビストロ」と呼ぶこともある。
「ブラスリー」は有名な「ブラスリー・リップ」とか「ブラスリー・ボファンジェール」みたいにフランスでも店の前につけるが、「ビストロ」はあまり店の名前にはつけないような気がする。むしろ「飲み屋」に近いような一般名詞だ。仏語で「帰りにビストロに寄るかい」というのは「一杯やろう」という意味だ。
東銀座の「ビストロ・ヴィヴィエンヌ」は、暑かったし遅く入ったこともあって、冷たいメニューのみを注文したが、これがよかった。特に砂肝のサラダは秀逸。その前のアスパラガスの冷製スープは普通だったが。どれも千円前後の料理だ。驚いたのは、ワインリスト。4000円前後から200種は軽くあり、フランス全土に及ぶ。たぶん「ヴィロン」は50種もなかったのではないか。
「ヴィロン」は100席を超す賑やかな店内が超満員だったが、「ヴィヴィエンヌ」は15席くらいで、まだ余裕があった。そのこじんまりとしたたたずまいと、それに似合った誠実な料理と静かな客層は東銀座の貴重な存在だ。
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