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2010年8月14日 (土)

長寿大国ニッポンの闇

大変なことになってきた。例の高齢者の不明続出という話のことだ。確かきっかけは、足立区で発見された白骨死体で、死後30年たっていたというニュースだった。その間も年金が支払われていたとか、一部銀行から引き出されていたとかということもあって、大騒ぎになった。日本は世界一の長寿国だと言われてきたが、そこには相当数の死者が含まれていたということか。

足立区の事件はほんの7月末のことだったが、各自治体が調べてみると、わずかの間に不明老人が続々と出てきた。昨日の朝日新聞朝刊では、一面トップで「不明100歳以上279人」と見出しがある。うち神戸市が105人、大阪市が63人というから、未調査の自治体のことを考えると、あと何百人も出てきそうだ。全国各地の誰も訪れない一軒家で白骨死体が出てきたり、そもそも死んだとわかっていて遺族は年金を受け取り続けたりと、ほとんど真夏のミステリーである。
最新号の「アエラ」では、長野の最高齢110歳の息子が「年金使って悪かった」と告白をしている。父親の生死は全く分からないという。

こんなになった理由はいくつかあるだろう。
一つは1980年代からの経済至上主義のなかでの地縁社会や家族の崩壊。近所づきあいがなくなり、普通の人でも親を世話する義務を感じなくなった。
それに個人情報保護法も輪をかけたと思う。この悪法のおかげで、とにかく他人のことに口が出せなくなった。「お宅には関係がない」ですべておしまいだ。
そしてこの10年の格差社会の進行。フリーターやホームレスが増え、人知らず消えてゆく。
もちろん行政の怠慢もある。年金を払っていながら、その相手が生きているか確認しないとはどういうことだろうか。全国規模では相当な金額の不正支給があるのではないか。ひょっとすると「消えた年金」問題以上に大変なことになるかもしれない。

朝日新聞の社会面では、反貧困ネットワークの湯浅誠氏の話として、介護ヘルパーに聞くと高齢者の年金が家族の命綱になっており、「亡くなっても死亡届を出せない」という悲痛な声があることや、日本は福祉を家族に依存してきたが、それがもう限界に達しているということが述べられていた。

この闇は深い。しかも緊急だ。子供手当や高速無料化をやっている場合ではない。

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