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2010年8月 6日 (金)

黒澤明生誕百年:その(3)

今週の「週刊文春」を読んでいたら、「黒澤明超入門」というミニ特集があって意外におもしろかった。いつもの小林信彦の連載も今回はミニ黒澤論で、さすがに最近黒澤についての本を一冊書いただけあって、奥が深い。

「週刊文春」はまず「私の見たクロサワ」という題で、山崎努やワダエミなどの関係者6人の話を載せる。後半は「天皇」と呼ばれていたが、いかにスタッフに優しかったか、いかにこだわりをもって作品に取り組んだかがよくわかる。
脚本家の橋本努は、黒澤と二人で侍について調べたエピソードを語る。侍は武者修行中にどうやって食っていくかという話題になって、調べたところ、農民が盗賊に備えて雇うことがあったという事実がわかった。黒澤は「これでできたな」と言ったらしい。これが『七人の侍』だ。

著名人7名が選ぶマイ・ベスト・クロサワもある。西川美和監督が『一番美しく』を選び、泉谷しげるは『隠し砦の三悪人』は毎年見るという。泉谷と『隠し砦』の組み合わせは意外だった。

小林信彦は、黒澤が最初はいかに日本人に受けなかったかを同時代の思い出と共に語っている。『羅生門』はベネチアで賞を得た後に「多くの批評家、ジャーナリストが掌をかえしたようにホメたのを思い出した」。「『七人の侍』が『キネマ旬報』で三位になったのには呆れた」とも。一、二位は木下恵介の『二十四の瞳』と『女の園』。
小林は『用心棒』『椿三十郎』『天国と地獄』を黒澤の<絶対三部作>と言う。「黒澤プロを作っての最初の作品(『悪い奴ほどよく眠る』)が失敗した以上、絶対に<受け入れられる>映画を作らなければならなかった」と書く。これが<絶対三部作>だ。
以降再び黒澤は苦悩の道を歩む。

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