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2010年8月 4日 (水)

百年以上前の新聞を読む

今の新聞に絶望したからではないが、昨日は必要があって、明治30年(1897)の「都新聞」を一年分読んで過ごした。これが記事も広告も抜群におもしろい。
「都新聞」は今の東京新聞の原型だが、当初は芸能や花柳界の話が多い庶民的な新聞で、実は今の新聞に近い。同じ1880年台にできた新聞でも、福沢諭吉が始めた「時事新報」のまじめさとは大違いだ。

一面はさすがに政治が多く、開くと2面は経済や国際記事。3面は連載小説と社会ネタ、そして芸能や娯楽の記事だ。その裏が株式とか載っていて、その次は社会面の続きと広告。最終ページは全部が広告で全6ページというのが多い。

社会ネタは6回結婚した男が複数の女に追われて警察に逃げ込んだ話など、長い記事はかならずオチがある。オチがない記事は短く終える。時々「やはり欲張りはイケナイ」とか教訓もある。
また芸能界や花柳界の紹介も定期的にある。「梨園叢話」は「しばいだより」とルビを振り、各劇場の話題を伝える。「北廊(よしわら)だより」は、廓の話題を「誰が誰と争って誰の見受けをした」とか、名前入りで書く。「新橋だより」は、芸者の話題を名前、年齢入りで書く。

広告もいい。輸入物が多く、葡萄酒、パイプ、コート、銃、写真機など何でもある。あとは医薬品で「けはへ(毛生え)くすり」、歯痛薬、肺病の薬に、不妊の薬。「キレー水」という化粧品は、「男女とも真の美人となる」と書かれている。「宮内庁御用達」とも書かれているが本当だろうか。健康に効く「コンデンスミルク」もある。これは私の小さい頃までイチゴにつけたりポピュラーだった。それから具体的な利子率を書いた銀行の広告も多い。「東京朝日新聞」とか「万朝報」とかほかの新聞の広告もある。

記事も広告も今の日本の新聞の下世話さと変わっていない。日本人にはニューヨークタイムスのような「高級紙」は無理のような気がする。

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