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2010年9月22日 (水)

コッポラ健在

コッポラの新作を見た。娘のソフィアの映画ではない。父親のフランシス・フォード・コッポラの『テトロ』Tetroのことだ。去年のカンヌで話題になりながら日本では公開が決まっていなかったが、今年の「ラテンビート映画祭」でなぜか上映された。これがすばらしい。

ブエノス・アイレスを舞台に、有名な指揮者を父に持ったイタリア系アメリカ人の兄弟の葛藤を描いた物語で、監督の自伝的要素が濃厚だ。
大半が、まるでフィルムノワールのような濃淡のしっかりしたモノクロの映像で、過去の思い出だけがカラーで語られる。兄を演じるのがヴィンセント・ギャロで、弟との痛々しい関係を静かに演じる。一カット一カットを丁寧に撮った小品のようでありながら、過去の物語がどんどん出てきて、関係は複雑になり、最後の最後まで画面から目が離せない。久しぶりに見る何とも贅沢な映像だった。
父親の指揮者テトロンチーニを演じたクラウス・マリア・ブランダウアーが懐かしかったし、有名な評論家役のカルメン・マウラも良かった。ついでに21年前に行ったブエノス・アイレスも懐かしかった。この映画では特に街の物音が丁寧に拾ってあって、何とも耳に心地よい。

コッポラ監督でヴィンセント・ギャロ主演でカンヌの監督週間オープニング作品でも、日本公開が決まらないとはどういうことだろうか。映画ファンには十分おもしろい映画だと思うのだが。もちろん売値が高かったりしたのだろうが、日本の洋画不況も極まった感がある。

ちなみにこの映画は新宿バルト9で、23日(木)18:30からもう1回上映がある。『10月の奇跡』という映画が中止になったためだが、これが東京でスクリーンで見られる最後になるかもしれない。未見の方は是非。それから配給会社の方も、もう相当安く買えると思うので、是非見てください。たぶん満員になるので、早めの予約を。

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