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2010年9月21日 (火)

世界文化賞でイタリア人圧勝

「高松宮殿下記念世界文化賞」というちょっと不思議な賞がある。フジ・サンケイグループが主催の賞で、今年で22回目というから、バブル期に始まって、まだ続いていることになる。かつてはパリやニューヨークで授賞式をやっていた。今回その授賞式の招待状というのが届いて、驚いた。5人のうち何と3人がイタリア人である。最近どんなジャンルでも、イタリア人がこれほど圧勝したことはないのではないか。

すなわち、絵画部門でエンリコ・カステラーニ、音楽部門でマウリィオ・ポリーニ、演劇・映像部門でソフィア・ローレンの3人なのだ。ほかは彫刻部門からドイツ人のレベッカ・ホルン、建築部門から日本人の伊藤豊雄という面々。

ソフィア・ローレンというのに笑ってしまった。これまでの受賞者を見ると、映画ではマルセル・カルネ、フェデリコ・フェリーニ、イングマール・ベルイマン、黒澤明(ここまでは故人)、アンジェイ・ワイダ、リチャード・アッテンボロー、ジャン=リュック・ゴダール、ケン・ローチ、アッバス・キアロスタミというから悪い趣味ではない。しかしこれまで監督だけだったのに、なぜ突然ソフィア・ローレンか。映画『NINE』で見せたあの(ちょっと無理のある)ゴージャスな微笑と大きな胸を強調した衣装で現れるのかと思うと、ちょっと見たい気はする。
賞金は1500万円。かつてゴダールは行くつもりもなかったが、賞金の額を10万ユーロと聞いて、「映画が撮れる」と東京まで来たという話がある。

カステラーニという名前は、私は知らなかった。我ながら美術はくわしいと思っていたのだが。いったい誰が選んでいるのか。ホームページを見ても中曽根康弘とか海外の元元首の顧問の名前が並ぶばかりだ。そもそも現代美術で絵画と彫刻の区別は意味がない。それなら演劇・映像が1部門にまとめられているのを分けるべきだろう。
レベッカ・ホルンにも驚いた。最近東京都現代美術館で個展をやったが、このレベルの現代作家なら世界に100人はいるだろう。
顧問はすべて日米仏独伊と旧先進国。サミット並みに20カ国くらいに広げないと、現代のアート状況にはとても追いつけない。

あちこちが恥ずかしい賞でも、1500万円出せば世界はついてくる。たかが1500万円、されど1500万円。実に微妙な額だ。

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