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2010年10月26日 (火)

野菜の原産地

最近、よく自分で料理をする。年をとったせいか、とりわけ野菜を使った料理が増えた。するとじゃがいもやナスやトマトの微妙な違いが気になってくる。そんな時に思わず買ったのが玉村豊男著『世界の野菜を旅する』だ。
彼の本は『パリ・旅の雑学ノート』や『料理の四面体』など、ちょっとしたことを丹念に調べて論理的に説明してあるのが特徴だ。

キャベツは地中海地域が発祥で、18世紀に日本に来たという。西洋ではほとんど生で食べないが、日本ではとんかつの付け合わせを始めとして、生の千切りが主流だ。白菜は日清、日露戦争の時に中国から兵士が持ち帰ったというからずっと遅い。しかしこちらの方が和風として定着した。

じゃがいもは南米から北米や欧州に広がった。日本には鹿児島に17世紀に来たようだ。じゃがいもといえばヨーロッパのどの国にも出てくる食材だが、欧州に来たのは16世紀。その後、度重なる飢饉を救うのはじゃがいもの役割になる。

トマトもまたヨーロッパ原産だと思いそうだが、これも南米でじゃがいもと同じ頃、欧州に伝わったという。イタリア人は知っているだろうか。とうもろこしもそうだ。

コショウを始めとしたスパイスは、イメージ通りインドや中近東だ。ただし唐辛子は南米で、かつてインドでは辛くないカレー(?)を食べていたらしい。
カレーのあたりでおもしろい話があった。「三段鍋」というもので、まずは寄せ鍋を作る。昆布のだしと野菜と魚介を入れるとできる。具を食べたらスープをそのままに、次の日に鶏肉と牛乳と野菜を入れて、洋風チキン鍋ができる。そして翌日はさまざまなスパイスを加えるとカレーになるというものだ。いったんカレーにしたら元に戻らない。カレーは究極の鍋料理だと玉村氏は書く。

ナスはインドが原産。5世紀に欧州に、8世紀(奈良時代)に日本に伝わって、各地で独特の料理ができた。確かにナスは和風でも洋風でもある。

味噌、醤油、豆腐、納豆などのもとになる大豆は、弥生時代に中国から伝わったツルマメが原型のようだ。欧米に伝わったのは19世紀だが、今では日本の大豆の大半はアメリカから来ているという。
もし大豆が来なくなったら、日本人は生きていけないのではないか。これはレアアース以上に大騒ぎになると思う。この本を読みながら、日本人は食料の自給自足を始めた方がいいのではという気になった。とりあえず自分でベランダ菜園でもやるかな。

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