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2010年10月18日 (月)

日本人に長期バカンスは可能か

最近、朝日新聞にバカンスに関する連続インタビューが載っていた。フランスはこうだとか、アメリカはこうだとか、いろいろ答えている。だけど自分も含めて、日本人には一か月も何もしないでバカンスを過ごすことは到底できそうもない。なぜそうなのかわからないが、労働に対する基本的な世界観が違うような気がする。

大方の日本人にとって、家事を含めて働くことは人生そのものだ。特に会社勤めの人間にとっては、日々の楽しみや遊びさえも会社の中で実現してゆくことが多い。よく欧米人が「日本人はだらだらと遅くまで仕事をする」というのはそういうものだ。
一方、キリスト教文明では、労働はまず罪である。仕事は最低限しかしない、というのが特にラテン系では強いような気がする。フランスやイタリアで打合せをすると、とにかく夕方5時や6時に逃げるように帰る。仕事相手の我々がいてもお構いなしだ。昼食に招かれることはあるが、夕食はまずない。日本に来た時には何度も我々が夕食に接待するのだけれど。

それでも日本人は無理にでもバカンスを取る習慣を身につけた方がいいと思う。理由は2つ。1つ目は、経済のグローバル化で仕事が少なくなっている。特に就職できない若者が多い。仕事がある人はもっと休んで給料を減らし、仕事がない人とシェアする体制を作らないと。

もう一つは、高齢化社会で経済的発展が望めない日本が観光立国で生き延びるための地ならしだ。みんなが長い休みを取れば、観光産業は栄える。
特に長期滞在用の安い施設がトレンドになるだろう。これは日本にいる外国人が今最も欲しいものだ。一か月10万円くらいで借りられる、自炊のできる山の家や海の家ができたら、きっと行く人も増えると思う。もっと安く買える別荘も増えるといい。

それにしても、勤勉を重んじる儒教の伝統があり、加えて明治以降つい最近まで「追いつけ追い越せ」のDNAを受け継ぐ日本人が、本当に長期バカンスを楽しめるようになるだろうか。ずいぶん時間がかかりそうな気がする。


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