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2010年10月 9日 (土)

大仏のない「東大寺大仏」展

15年ほど前に「ピカソ 《ゲルニカ》への道」展というのがあった。今はなき東武美術館で見たが、《ゲルニカ》は当然貸してくれないので、実物大の高精度写真を展示して、それ以外は《ゲルニカ》にまつわるピカソの絵画を展示するというものだった。今度東京国立博物館で始まったばかりの「東大寺大仏 天平の至宝」展も、当然大仏は動かせないので、「バーチャル映像」で展示し、そのほかの東大寺の仏像や書画を集めたものだ。

ポスターなどに使われている目玉が《八角燈籠》だ。大仏殿の前に立っているもので見るとそれなりに迫力があるが、メインが燈籠ではちょっと寂しい。せめて法華堂にたくさん置いてある仏さまたちがいくつかあると見栄えがするが、一体もない。あるのは不空羂索観音菩薩の後ろにある光背(光り輝く模様)だけとは。

私のような素人が見て良かったと思ったのは、《良弁僧正坐像》や《長源上人坐像》、《公慶上人坐像》などの高僧の肖像彫刻。そのリアルでありながら抽象化された表情やたたずまいは、一度見たら吸い込まれるようだ。

出土品の破片や経典などの書が並べられているが、これは普通の観客には全くわからない。

何より、大仏のバーチャル映像のレベルが低かった。嘘っぽい子供だましのような12分のCGには、開いた口が塞がらなかった。家に帰って見たカタログの写真の方が、何倍も雰囲気がある。映画の世界では3Dが話題なのに、どうしたことだろうか。そうでなくても日本の映画界にはまともな監督が何人もいるのに、どうして頼まないのだろうか。

とりあえずこの展覧会を見たら、奈良に大仏を見に行きたくなった。展覧会は12月12日まで開催。

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コメント

ゲルニカへの道、という展覧会があったんですか? 覚えている人は少ないでしょうねえ(笑)

投稿: kenyama | 2010年10月 9日 (土) 10時05分

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