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2010年11月

2010年11月30日 (火)

『エイリアン』を「単細胞的げてもの趣味」と書いた朝日新聞

最近久しぶりに『エイリアン』(1979)をDVDで見た。リドリー・スコットによるシリーズ第一弾だが、こんなに面白い作品だとは知らなかった。そのうえ、白人男性中心主義の『猿の惑星』(68)と違って、シガニー・ウィーバーの女性飛行士が生き残るという物語も現代的だった。

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2010年11月29日 (月)

麻生三郎の絵に見る日本の戦後

竹橋の東京国立近代美術館で開かれる日本人の個展は、可能な限り見ることにしている。ここで開かれるからには、日本中から秀作が集まってくる(はずだ)からだ。12月19日まで開かれている「麻生三郎展」も、戦前から戦後にかけての日本人の魂の軌跡を見せる、見応えのある展覧会だった。

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2010年11月28日 (日)

東京フィルメックス:その(4)イラン映画の現在

イラン映画が少しずつ日本に入ってきたのは、20年ほど前だろうか。その先頭を走っていたのがアッバス・キアロスタミで、『そして人生は続く』や『桜桃の味』などで毎回、我々を魅了した。しかし今世紀になってからは、『5 five』のように抽象的であえて肩すかしを与えるような映画ばかり作ってきた。ところが新作の『トスカーナの贋作』は違った。

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2010年11月27日 (土)

ミシュランガイドの大いなる誤り

また今年も「ミシュランガイド東京」が今日から発売される。正確に言うと、今年から横浜と鎌倉が加わった。ネットには星を取った店がすべて並んでいるので、わざわざ2520円を出して買う価値はないだろう。なぜならば本を買っても写真が多く、解説文は日本語として拙劣だからだ。

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2010年11月26日 (金)

東京フィルメックス:その(3)中国の近代化を考える

『スプリング・フィーバー』の衝撃も醒めないままに、東京フィルメックスでレベルの高い中国映画を3本見た。『海上伝奇』と『溝』と『トーマス、マオ』。これらを見ながら、中国の近代化と現在について改めて考えた。中国はこれからどんな国になるのだろうか。

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2010年11月25日 (木)

広告のあやうさ

なぜか広告が好きだ。印刷物や映像で人をその気にさせてしまう、詐欺師的なところがいいのかもしれない。しかし詐欺師は方向が間違うと、とんでもない大衆操作をやってしまう。馬場マコト氏の新刊『戦争と広告』を読みながら、広告のあやうさについて考えた。

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2010年11月24日 (水)

東京フィルメックス:その(2)運営の快さ

かつては東京フィルメックスと山形国際ドキュメンタリー映画祭が正しく、東京国際映画祭は間違っている、といった言い方が流通していた。しかし最近のセレクションを見ると、その3つのどれにもそれなりに秀作が並んでいて、個性があまり見えないようになった。しかし今回フィルメックスに参加して感じるのは、東京国際と比べての運営の快さだ。

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2010年11月23日 (火)

新宿から渋谷から新宿へ

先日偶然に会った渋谷の映画館に勤める友人が私に言った。「若い人が渋谷から新宿に流れている気がする。なぜだろうか」。確かに最近の渋谷のミニシアターの凋落はすさまじい。文化村前のシネ・アミューズが閉まり、シネマライズが3館のうち2館を占めた。ユーロスペースが移ったビルも、TSUTAYAが撤退して2館が閉じている。

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2010年11月22日 (月)

東京フィルメックス:その(1)東京国際からわずか3週間後で

今年も東京フィルメックスが始まった。東京国際映画祭が終わってからわずか3週間後というのは、見る側にとってはいかにも慌ただしい。作品もなぜこれがフィルメックスか、東京国際の方がよかったのでは、などと思うものがあったりして、ここ数年、微妙な感じになってきた。

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2010年11月21日 (日)

「真逆」はいけないか

先日の読売新聞夕刊の「いやはや語辞典」という連載で、作家の高田宏氏が「真逆」という言葉について書いていた。この言葉が、若者の間で流通していることへの違和感が書かれている。当然、これまでの日本語では「正反対」だ。実は自分も大学の授業の際に、学生の発表やレポートでこの「真逆」という言葉に出会うことが多い。

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2010年11月20日 (土)

東京国際映画祭:その(7)まとめ

いずれゆっくり東京国際の総括を書こうと思っていたら、もう今日から東京フィルメックスが始まる。その前にとりあえずのまとめを書く。一言で言うと、ここ数年コンペを中心に上映作品の質は上がってきたが、まだまだ国際映画祭としてはダメである、ということだ。それは発信能力のなさ、作品の地味さ、選ぶ個性のなさ、運営のひどさなどにある。

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2010年11月19日 (金)

柳橋のお座敷とんかつ

柳橋という街がある。総武線で秋葉原の一つ先の浅草橋駅で降りたあたりで、かつては新橋などと並んで芸者で知られたところだ。今もそのおもかげは残っている。おいしい店探しにかけては、私の師匠であるところの昔の職場の先輩が、そこに安くていい店があると言う。「百万石」というとんかつ屋さんだが、夜のお座敷のコースが良かったというので、連れていってもらった。

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2010年11月18日 (木)

学生の就職率に思う

10月1日時点の大学四年生の就職内定率が57.6%だというニュースが流れている。これは1996年に調査を始めて以来最低らしい。これはいわゆる「ロス・ジェネ」世代を生んだ就職氷河期の2000年前後より、ずっと悪い数字だ。就職できない若者はいったいどうなるのか。

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2010年11月17日 (水)

女王ドヌーヴの本音発言

フランスに"Les inrockuptibles"という週刊誌がある。かつてはロック中心の月刊誌だったが、15年ほど前から週刊誌になって、映画や美術、政治なども大きく扱う。特にインタビューがおもしろい。先日バルセロナに行った時の乗り換えのパリで買った最新号に、カトリーヌ・ドヌーヴのロング・インタビューがあり、その本音の発言に驚いた。

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2010年11月16日 (火)

どんどん出てくる中国の監督

中国からは天才的な監督がどんどん出続けているようだ。昔は(といっても20数年前)に第五世代に驚嘆していたが、いまや第六世代からアーバン・ジェネレーションと言われる監督たちがいるらしい。現在公開中の『スプリング・フィーバー』は、ロウ・イエ監督がフランスとの合作で作ったもので、その鮮烈な映像に度肝を抜かれてしまった。

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2010年11月15日 (月)

『映画が目にしみる』はしみる

小林信彦氏の『映画が目にしみる』が文庫になったので読んだ。中日新聞のコラムの中から映画についての文章を中心にまとめたもので、1999年から2007年の映画について触れられている。この人の映画に関する文章は、とりわけ私のように80年代のミニシアターブームから映画好きになった人間には、じんわりと沁みて、後を引く。

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2010年11月14日 (日)

清水寺と京都駅と

用事があって、日帰りで京都に行った。用事の後、ふと思い立ってタクシーで清水寺に行ってみた。自分にとって京都というと一番にイメージするのは、なぜか「清水の舞台」である。前に行ったのはたぶん10年前でその前にも何度か行ったはずだが、今回ほど観光客、とりわけ外国人が多いのは見たことがない。

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2010年11月13日 (土)

東京国際映画祭:その(6)新聞評など

東京国際映画祭が終わった直後に海外に行っていたので、新聞がどうまとめたかを読んでいなかった。ようやく図書館で比べて読んでみて、本当に大事なことがあまり書かれていないことに、今さらながら苛立ちを覚えた。読んだのは朝日、読売、日経。なぜか毎日にはなかった。

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2010年11月12日 (金)

桐野夏生氏の『メタボラ』に戦慄が走る

最近は日本の近代を振り返る本をよく読む。もうひとつ気になっているのは、今世紀になってからの社会のひずみをめぐるものだ。大学の教師をしていると、とりわけ今の若者の生き方に関する本が気になる。そんな時に文庫になった桐野夏生氏の『メタボラ』上下を読んで、戦慄が走った。

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2010年11月11日 (木)

正統派居酒屋「樽平」

銀座のど真ん中に、これぞ正統派居酒屋というべき店がある。小料理屋やバーがひしめく金春通りから少し入ったところの「樽平」がそれで、からからと戸を開けたとたんに、別世界が広がっている。地方勤務を終えて東京に戻ってきた友人の歓迎会をそこでやった。東京に戻ってきて良かった、と感じてもらえる店と思って選んだ次第。

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2010年11月10日 (水)

森ビル全面広告の不愉快さ

昨日の朝刊各紙に森ビルの見開き全面広告が出ている。森ビルというより、社長の森稔氏の作文が緑の文字で載っている。
「『できるはずがない』。/そこに挑戦するから、森ビルなのだと思う。」
という見出しで、その下に森氏のサインがある。これが何とも不愉快な内容なのだ。

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2010年11月 9日 (火)

アメリカの神話に挑むアン・リー

普通アジア系の監督は外国を描いても自国の要素を入れる場合が多いが、アン・リーは純アメリカ的なテーマにも平気で取り組む。カウボーイの同性愛を描いた『ブロークバック・マウンテン』がそうだったが、今回の『ウッドストックがやってくる!』は、何とアメリカの伝説的なコンサートの舞台裏を撮るというものだ。アメリカの神話の一つに挑んで、アメリカ人にもできなかった映画作りに成功しているからすごい。

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2010年11月 8日 (月)

小説家アンヌ・ヴィアゼムスキー

ゴダールの『中国女』などに出ていたアンヌ・ヴィアゼムスキーが、小説を何冊か出版しているというニュースはだいぶ前から聞いていた。今度初めて翻訳で『少女』を読み、その繊細な感性と展開のうまさに舌をまいた。これは17歳のアンヌがロベール・ブレッソンの『バルタザールどこへゆく』に出演した時の一部始終を描いたもので、自伝的小説と言えるだろう。

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2010年11月 7日 (日)

ゴダールのパワーに驚く

オリヴェイラが今年12月で102歳と言うが、ゴダールだって同じ12月に80歳になる。彼の新作『ゴダール・ソシアリスム』を見たが、相変わらずのパワーに驚いた。資本主義という20世紀の魔物に向かって、徒手空拳で戦いを挑んでいるかのような感じなのだ。

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2010年11月 6日 (土)

バルセロナ美食考

バルセロナでいくつかのレストランに行って、ここは相当の美食の街ではないかと思った。それはまずボケリア(サン・ジョセフ)を代表に、サンタ・カタリーナなど市内にいくつかある市場に行ってみるとわかる。魚も肉もとびきり新鮮そうなものが、何十種類も並ぶ。あるいは数多くのキノコの種類。買ってバターでいためたら、さぞおいしいだろう。

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2010年11月 5日 (金)

ガウディ、伊東豊雄、ピカソ

用事でバルセロナに数日滞在することになり、空いた時間を見つけて市内を散歩した。前に訪れたのは26年前のことだ。どこに泊まったかも記憶がないが、一泊してピカソやミロの美術館、ガウディのサグラダ・ファミリア聖堂を訪れたことを覚えている。今回もとりあえず同じ場所を訪ねてみた。

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日本航空とプレミアム・エコノミ―と

今回は久しぶりに日本航空に乗った。往復で選んだのは、たぶん15年ぶりくらいだ。前の仕事で欧州に年に何度も行っていた時は、エールフランスに絞ってマイルをためていたが、年に一度や二度ではどこでも同じだ。今回はたまたま安くて接続に便利な便があったので、選んだまでだが、正直に言うとかなり良かった。

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2010年11月 3日 (水)

『永遠の0(ゼロ)』と『ハナミズキ』

長い飛行機の中で2冊目に読んだのが、百田尚樹氏の『永遠の0』。最近の読書は、20世紀初頭から戦争、学生運動、バブル期などおおむね20世紀の歴史をめぐるものが多いが、これは戦時中の零戦の話だ。若い主人公が、自分の祖父について調べるうちに零戦に乗って死んだことがわかり、祖父を知る老人たちを訪ねるというストーリー。

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2010年11月 2日 (火)

飛行機で田中角栄について考える

急に海外に行くことになり、本屋に飛び込んで本を数冊買ったが、飛行機で最初に読んだのは保坂正康氏の新書『田中角栄の昭和』だ。自分の小さい頃から大学生くらいまで、最も記憶に残る政治家は田中角栄だった。この政治家には何か昭和期の日本を象徴するものを感じていたので、思わず手に取った。

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2010年11月 1日 (月)

東京国際映画祭:その(5)受賞結果など

受賞結果が発表された。私が予測した『一粒の麦』は無冠に終わり、見ていない映画ばかりが賞を取った。いささか不愉快だが、映画祭の賞とはこんなものである。そこで敢えて問題点を挙げるとするならば、『サラの鍵』の監督賞受賞だろう。

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