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2010年11月 1日 (月)

東京国際映画祭:その(5)受賞結果など

受賞結果が発表された。私が予測した『一粒の麦』は無冠に終わり、見ていない映画ばかりが賞を取った。いささか不愉快だが、映画祭の賞とはこんなものである。そこで敢えて問題点を挙げるとするならば、『サラの鍵』の監督賞受賞だろう。

もらったジル・パケ=ブレネール監督は、フランスでは中堅の手堅い職人監督だ。まず欧州の映画祭のコンペに選ばれることはあるまい。彼が東京国際映画祭でコンペに出たのみならず、監督賞までもらったとなると「ああ、やはり東京はあの程度か」と言われるに違いない。このマイナス効果は大きい。ネットで調べてみると10月半ばにフランスで封切られているが、ある雑誌のサイトに星取表があって、『ルモンド』紙記者は4つのうち2つ星、『ヌーヴェルオプス』誌は1つ星の評価だ。審査員の判断はともかく、まずこの映画はコンペに選ぶべきではなかった。

東京国際映画祭の問題はこれまでさんざん書かれてきたので今さら繰り返さないが、今回来日していた前『カイエ・デュ・シネマ』誌のジャン=ミシェル・フロドンは、私にこう語った。

「まず日本政府は十分なお金を出して、映画界への利益誘導的なセレクションを止めないといけない。邦画大手やハリウッドメジャーに目を向けすぎたセレクションは、映画祭としては尊敬されない」
「六本木のシネコンは最悪だ。あれは映画祭の会場ではない。文化村を中心とした昔の方が良かった。街としても渋谷の方が何倍も魅力的だ。渋谷でなければ銀座がいい」
「釜山の方がはるかに評価が高いが、今後は伝統ある香港や毎年大きくなる上海の映画祭も東京を上回ることは間違いない。今からよほどの努力をしないと、東京はそれらの中で完全に埋もれてしまう」

授賞式をネットで見たが、進藤兼人監督の受賞は良かったと思う。「最後の作品です。98歳なのでこれ以上は無理です。みなさんも元気でいい映画を作ってください」。

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