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2010年12月19日 (日)

新聞の「回顧2010」

年末になると、新聞各紙にさまざまな分野の「回顧2001」が載る。文学、音楽、舞台など。たまたまこの週末に読売の金曜夕刊と朝日の土曜朝刊に映画の回顧が載っていたので比べてみた。読売は近藤孝記者、朝日は石飛徳樹記者だが、どちらも3Dと興行収入を中心に書いていて、あまりおもしろくない。

特に読売は、『アバター』などの3D映画の興収や日本映画のトップの興収の数字をえんえんと羅列することから始まっていて、その後は秀作の名前を次々と挙げるのみだ。真ん中あたりに『告白』がテレビ局の出資を得ていないがヒットしことを、日本映画の新たな可能性として挙げたのが唯一分析らしいところか。だったら同様の『悪人』も加えて書けばいいのに。

その意味では朝日の方が少しばかり芸がある。こちらも出だしは3Dと興収だが、そこは短くして「悪」のテーマで引っ張っている。『告白』と『悪人』をテレビ局の入らない映画として挙げ、さらに「悪」つながりで『十三人の刺客』、『ヘヴンズ ストーリー』、『アウトレ-ジ』を分析する。挙げる作品名は読売より少ないが、読ませる文章だ。

3Dはともかく、興収は一般の読者にはあまり関係のない「業界情報」だ。テレビ局が入ったかどうかもあまり関係がない。「今年の傾向」を言うには都合がいいかもしれないけれど。それを言うなら、東宝以外の東映や松竹はテレビ局主導ではない映画を毎年数本作っているし。

2紙で一番おもしろかったのは、朝日に載った外部筆者の「私の3点」の選択。佐藤忠男氏は『冬の小鳥』『悪人』『レオニー』とヒューマニズムを感じさせる。秦早穂子氏は『息もできない』『白いリボン』『ヘヴンズストーリー』とアヴァンギャルド志向。山根貞男氏は『アウトレイジ』『ユキとニナ』『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』と何でもあり。できたらこの3者のミニコメントがあったら、なおおもしろかった。
これに比べると読売の記者が(たぶん話し合いで)選んだ、「今年を代表する人と作品」はピンとこない。

私が3本を選ぶなら、『息もできない』『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』『ヘヴンズストーリー』だろうか。『13人の刺客』『インセプション』『あの夏の子供たち』『モダン・ライフ』も入れたいが。

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