« 2010年11月 | トップページ | 2011年1月 »

2010年12月

2010年12月31日 (金)

今年記憶に残った映画

今年もたくさんの映画を見た。数えて見たら、スクリーンで見たものだけで185本。多いような少ないような。さらにDVDで見たのが50本くらいあるが、こちらは古い映画がほとんどだ。去年末と同様に、心に残った映画を本数を決めずに羅列してみたい。今年はミニコメントつき。

続きを読む "今年記憶に残った映画"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月30日 (木)

年末に読む朦朧小説

年末に妙なものを読んだ。朝吹真理子という新人作家の小説『流跡』だ。堀江俊幸氏選考のドゥマゴ文学賞を最年少で受賞したとのことで、書評やインタビューを新聞などで目にしていたが、本屋でほとんど真っ白な装丁の薄い本を見て、買ってみた。著者は今年で26歳らしいが、この朦朧体はなかなかのものだ。

続きを読む "年末に読む朦朧小説"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月29日 (水)

「孤族の国」とか「無縁社会」とか

年末になって、朝日新聞で「孤族の国」という連載が始まった。何も最も孤独を感じる年末にやらなくてもと思うが、気になって毎日読んでいる。そんな時にNHKのドキュメンタリー『無縁社会』が本になったので、買ってみた。この番組が話題になっていることは知っていたが、一度も見たことがなかった。しかし本を読むだけでも深刻さは伝わってくる。

続きを読む "「孤族の国」とか「無縁社会」とか"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月28日 (火)

『白いリボン』をやっと見る

とにかくみんながすごいと言う。試写状も来ないのでひがんで無視しようかと思っていたが、日経新聞で中条省平氏が「今年の掉尾を飾る傑作である」という書き出しで絶賛しているのを読んで、やっと『白いリボン』を見に行った。結論から言うと、見ごたえはあったが、個人的にはあまり好きになれない映画だった。

続きを読む "『白いリボン』をやっと見る"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月27日 (月)

アル中の恐怖

最近、少し年上の友人から恐ろしいメールが届いた。8月に頭が痛くなって救急車で脳外科病院に運ばれ、「アルコール依存症」と判断されて、「アルコール外来病棟のある精神病院」に入れられたという。そのまま4ヵ月半入院し、ようやく退院したという。公開中の映画『酔いがさめたらうちに帰ろう』のカモちゃん状態と自分で書いていた。

続きを読む "アル中の恐怖"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月26日 (日)

新聞記者が書いた本:その(2)

古賀重樹氏の『1秒24コマの美 黒澤明・小津安二郎・溝口健二』は、同じ新聞記者の本でも、先日ここで紹介した田中三蔵氏の『駆け抜ける現代美術』とは大きく異なる。田中氏の本は20年間の記事から自信作を選んだもので、おのずと時代が浮かび上がる仕組みになっていた。しかし古賀氏の本は、最近書いた3本の連載をまとめたものだ。

続きを読む "新聞記者が書いた本:その(2)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月25日 (土)

ようやくドガを見る

この秋からずっと見たかった横浜美術館の「ドガ展」をようやく見た。今年はルノワールに始まって、マネ、オルセーのポスト印象派、シャガール、ゴッホと、充実したフランス美術展が多数開かれたし、モネもボストン美術館展など複数の展覧会で秀作を見た。ドガ展は久しぶりでオルセーの名作がたくさん出るほか、アメリカからも出品されると聞いていたので、何があっても見ようと思っていた次第。

続きを読む "ようやくドガを見る"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月24日 (金)

新聞記者が書いた本:その(1)

最近、新聞記者が書いた本をたて続けに2冊買った。一つは朝日新聞の田中三蔵著『駆けぬける現代美術 1990-2010』で、もう一つは日経新聞の古賀重樹著『一秒24コマの美 黒澤明・小津安二郎・溝口健二』。田中氏は20年近く編集委員を務めた人で、古賀氏は最近編集委員になったばかり。ともに知人なので書きにくいが、本を寄贈されたわけではないので、率直なところを書く。

続きを読む "新聞記者が書いた本:その(1)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月23日 (木)

何でもありの『冷たい熱帯魚』

1月29日公開の園子温監督『冷たい熱帯魚』をようやく見た。9月のベネチア国際映画祭で見逃し、11月の東京フィルメックスでも日程があわなかった。とにかく評判がいい。師走も押し迫ってようやく駆け込んだ試写室は、上映15分前には満員になった。そして、確かにおもしろかった。

続きを読む "何でもありの『冷たい熱帯魚』"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月22日 (水)

食料自給率の謎

なぜか、「食料自給率」という言葉は妙に気になる。長年、日本の自給率は低いと言われてきたからかもしれない。戦争が起こったら、日本は食べるものがなくなる、みたいな論理にはどこか抵抗があった。そんな時に浅川芳裕著『日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率』という新書を見つけて、買ってみた。

続きを読む "食料自給率の謎"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月21日 (火)

『お家をさがそう』の心地良い普通さ

サム・メンデスと言えば、突然アカデミー賞の作品賞や監督賞を取った『アメリカン・ビューティ』(99)に始まって、『ロード・トゥ・パーデション』など力のこもった映画作りで有名だ。ところが今度の新作、『お家をさがそう』は拍子抜けがするほど何も起こらない映画で、その普通さが妙に心地よい。

続きを読む "『お家をさがそう』の心地良い普通さ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月20日 (月)

本物のないダ・ヴィンチ展

テレビのCMで日比谷公園の特設テントでダ・ヴィンチ展をやっていることを知り、近くを通った時に入って見た。展覧会名は「特別展 ダ・ヴィンチ ~モナ・リザ 25の秘密~」。まさか特設テントに本物の油絵が来るとは思わなかったが、本当に本物が1点もないダ・ヴィンチ展だった。

続きを読む "本物のないダ・ヴィンチ展"

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2010年12月19日 (日)

新聞の「回顧2010」

年末になると、新聞各紙にさまざまな分野の「回顧2001」が載る。文学、音楽、舞台など。たまたまこの週末に読売の金曜夕刊と朝日の土曜朝刊に映画の回顧が載っていたので比べてみた。読売は近藤孝記者、朝日は石飛徳樹記者だが、どちらも3Dと興行収入を中心に書いていて、あまりおもしろくない。

続きを読む "新聞の「回顧2010」"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月18日 (土)

三宿の日本風フランス料理

渋谷から少し西に行ったあたりに、三宿(みしゅく)という場所がある。電車の駅で言うと、田園都市線の池尻大橋と三軒茶屋の真ん中あたりの行きにくいところ。行きにくいがゆえに、隠れ家スポットとなるのは西麻布交差点付近と同じだ。そんなところにあるフランス料理の「デュ・バリー」は、まさに三宿らしいお店だった。

続きを読む "三宿の日本風フランス料理"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月17日 (金)

映画史の叢書が続々(と書くと新聞の見出しみたいだが)

最近、ミネルヴァ書房刊で加藤幹郎氏監修の「映画史叢書」の第一巻として、杉野健太郎氏編『映画とネーション』が送られてきて驚いた。開いてみるといわゆる映画をめぐる研究論文ばかりだ。これが全10巻出るという。そういえば、最近こういう叢書が増えてきているような気がする。

続きを読む "映画史の叢書が続々(と書くと新聞の見出しみたいだが)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月16日 (木)

銀行が企業をつぶす

最近のニュースで一番頭に来たのは、銀行に勧められて為替予約ができる金融商品「デリバティブ」を買った中小企業が、急激な円高で巨額の損失が生じて倒産するケースが増えた、というものだ。銀行から融資とセットで勧められて、「本業は黒字だが、デリバティブの損失が上回る」状態になって倒産した企業の例が挙げられていた。

続きを読む "銀行が企業をつぶす"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月15日 (水)

「一番好きな映画は」と聞かれて

最近、大学以外で講演やレクチャーをすることがたまにある。そんな時、相手がナイーブであればあるほど、出てくる質問がある。「そんなに映画をたくさん見ているのなら、一番好きな映画は何ですか」。話の内容とは関係なく、これが出てくる。先日、福岡で高校生相手に話をした時も、まず最初の質問がこれだった。

続きを読む "「一番好きな映画は」と聞かれて"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月14日 (火)

青春小説としての『嘔吐』

この夏に出た時に買った、ジャン=ポール・サルトルの『嘔吐』新訳をようやく読んだ。鈴木道彦氏の訳で、帯には「60年ぶり待望の新訳」と書かれている。この本は長い間白井浩司氏の訳で知られていた。私も四半世紀前に白井訳を買ったはずだが、冒頭を読んだだけで脱落した記憶がある。今回初めて最後まで読んで、青春小説としてのおもしろさに唸った。

続きを読む "青春小説としての『嘔吐』"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月13日 (月)

久しぶりの国内線

たぶん1年半ぶりに国内線の飛行機に乗った。全日空で福岡を往復したけれど、驚いたのは「飲み物はいかがですか」と言うので、「オレンジ・ジュース」と言うと「有料でございますが」と答えられたことだ。聞いてみると、熱いお茶と冷たいお茶以外は有料らしい。

続きを読む "久しぶりの国内線"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月12日 (日)

上海に行きたくなる映画

2月初旬公開のワン・チュエンアン監督『再会の食卓』を見た。先日東京フィルメックスで見たばかりのジャ・ジャンクー監督の『海上伝奇』と同じく、「上海」そのものがテーマの映画だ。古い戸建てが並ぶ地区の向こうに高層ビル群がそびえたつ光景を見て、無性に行きたくなった。

続きを読む "上海に行きたくなる映画"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月11日 (土)

東京フィルメックス:その(5)邦画のリアル

東京フィルメックスが終わって2週間にもなって恐縮だが、見た日本映画が気になったので書いておきたい。110万円で作ったというグランプリの『ふゆの獣』は見ていなくて、見たのは特別招待の『鼻』と『後の日』の中編2本立てコンペの『PEACE』。それらを見ながら邦画のリアルについて考えた。

続きを読む "東京フィルメックス:その(5)邦画のリアル"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月10日 (金)

「今夜は最高な日々」と言われても

数日前にこのブログで80年代建築のことを書いてから、妙にこのバブルに向かう時期が気になってきた。そこで本屋で見た高平哲郎著の『今夜は最高な日々』を買ってしまった。オビに「あのバカバカしくも、素晴らしき80年代よ!」と書かれていたからだ。

続きを読む "「今夜は最高な日々」と言われても"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月 9日 (木)

シャブロルを知っていますか

フランスの映画雑誌『カイエ・デュ・シネマ』の10月号の表紙は、葉巻をくわえて正面を睨むギョロ目のシャブロルの顔写真に「シャブロルを知っていますか」という見出しだった。今年は1月にエリック・ロメールが死に、9月にクロード・シャブロルが亡くなった。ロメールの時は日本でも新聞各紙に死亡記事の数日後に追悼文が並んだが、シャブロルは追悼文はなかったように思う。

続きを読む "シャブロルを知っていますか"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010年12月 8日 (水)

アメリカ人を魅了したモネ

渋谷の文化村ザ・ミュージアムで「モネとジヴェルニーの画家たち」展が始まった。2007年の国立新美術館の大規模なモネ展以来、モネに対しては何となく自然に触手が動いて見に行った。驚いたのは、モネもあったが大半がアメリカ人の絵画だったということだ。

続きを読む "アメリカ人を魅了したモネ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月 7日 (火)

『行きずりの街』の古めかしさ

阪本順治監督の新作『行きずりの街』を丸の内東映で見た。上映が始まってまだ2週間なのに、日曜の午後4時の回で、観客は20人くらいか。その寒々とした館内の光景と、映画の中味が妙に呼応していて興味深かった。

続きを読む "『行きずりの街』の古めかしさ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月 6日 (月)

1980年代的建築の記憶

朝日新聞に青山のスパイラルビルが25周年を迎えたことが載っていた。その記事は建築家の槇文彦氏へのヨイショが鼻についておもしろくなかったが、ディズニーランド開園やセゾン文化のことが書かれていて、80年代にできたほかの建築が気になってきた。今月末に閉店する有楽町西武が入る有楽町マリオンは、その前年の84年にできている。

続きを読む "1980年代的建築の記憶"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月 5日 (日)

蔦屋重三郎の名を知らなかった

私は美術展をよく見るわりには、美術史の知識がない。とくに日本美術となるとお手上げだ。そんなわけで、蔦屋重三郎の名前も知らなかった。サントリー美術館で開催中の「歌麿・写楽の仕掛け人 その名は蔦屋重三郎」展を見に行って、この人物のおもしろさを知った次第。

続きを読む "蔦屋重三郎の名を知らなかった"

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2010年12月 4日 (土)

63歳のアンヌ・ヴィアゼムスキーを見る

かつて有名だった女優を、何十年も後に見るのは、不思議な感動がある。カトリーヌ・ドヌーヴやジャンヌ・モローのように年と共に相応しい役を映画で演じ続けている場合は、そうでもない。しかしアンヌ・ヴィアゼムスキーのように、60年代のゴダールの映画で鮮烈な印象を残しながら、その後ほとんど映画に出ていないとなると、「今はどうなっているのだろう」と思う。そんな気持ちで彼女の講演会に出かけていった。

続きを読む "63歳のアンヌ・ヴィアゼムスキーを見る"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月 3日 (金)

大使館のパーティ

昔はよく在京の外国大使館のパーティや夕食会に行った。田舎者のせいか、「社交界」のような雰囲気が好きだったこともあるが、それ以上にそこで出会う人々と人脈を作って、何とか将来の仕事に役立てようと思ったからだ。ところが最近は大使館に出かけても、親しい友人がいないと十分かそこらで帰ってきてしまう。

続きを読む "大使館のパーティ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月 2日 (木)

コーエン兄弟のわからない楽しさ

コーエン兄弟は、20年ほど前の『ミラーズ・クロッシング』や『バートン・フィンク』の頃からユーモアと畳みかけるようなドラマで魅了し続けてきたが、最近になってちょっと困った映画を作るようになった。前作の『バーン・アフター・リーディング』はあれだけスターを揃えながらわざと不完全燃焼にしたような映画だったが、今度の『シリアス・マン』もまた妙な映画だ。

続きを読む "コーエン兄弟のわからない楽しさ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月 1日 (水)

ウィキリークス問題

尖閣諸島の衝突映像が内部からYoutubeに流れたニュースに驚いていたら、今度はアメリカの外交文書が暴露されて大きな問題となっている。イタリアのベルルスコーニ首相は「軽率でうぬぼれが強く無能」だとかフランスのサルコジ大統領は「怒りっぽく独裁主義的」などとした内部文書がネットに出てしまったわけだ。

続きを読む "ウィキリークス問題"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年11月 | トップページ | 2011年1月 »