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2010年12月10日 (金)

「今夜は最高な日々」と言われても

数日前にこのブログで80年代建築のことを書いてから、妙にこのバブルに向かう時期が気になってきた。そこで本屋で見た高平哲郎著の『今夜は最高な日々』を買ってしまった。オビに「あのバカバカしくも、素晴らしき80年代よ!」と書かれていたからだ。

高平氏の名前はタモリと共に覚えている。1982年から今も続く長寿テレビ番組『笑っていいとも』の構成作家だ。あるいは同じ頃のタモリの深夜テレビ番組『今夜は最高』の仕掛け人としても有名だ。
そのほか、山下洋輔を中心とするジャズ・グループや赤塚不二夫がテレビに出る時も係わっていたと思う。いわば80年代にツウの間で売れっ子の業界人だった。

80年代前半は私の大学生時代だ。ひたすら映画を見て本を読んで、酒を飲んでは喋りまくる日々を続けていた。とにかく女にはもてなかった記憶がある。そんな時に、ブラウン管の向こうでタモリが騒いでいるのを時おり醒めた目で見ていた。山下洋輔のソロコンサートや、ジャズ喫茶での坂田明バンドのコンサートに行ったこともあった。

今回、高平氏の『今夜は最高な日々』を読んで、「あなたたちは楽しかったでしょうね」という感想しか持てなかった。いかに楽しんで番組を作ったか、遊びのようにコンサートや芝居を演出したかを書かれても、しょせん向こう側の業界裏話だ。当時どうやって生きていくか悩んでいた自分の記憶が甦るばかりで、あまり楽しくなかった。
小林信彦氏による、もう少し前のテレビ界の話はおもしろいと思うのは、自分の年代のせいか、あるいは文才の違いか。

この本を読んで、若い人に自分の「今夜は最高の日々」を語ることは慎もうと思った。もうやっているかもしれないが。

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