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2011年1月

2011年1月31日 (月)

タイポグラフィーと磁器を美術館で見ること

最近おもしろくない現代美術展を立て続けに見た反動か、デザインとか工芸の展覧会を見たいと思った。役に立つアートというわけだ。選んだのが東京都庭園美術館の「20世紀のポスター [タイポラフィー]」展とサントリー美術館の「マイセン磁器の300年」展。

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2011年1月30日 (日)

哀しい男たちを描く邦画2本

もう上映も終わりに近づいているが、今年の初めに映画館で見た2本の邦画について書いておきたい。『酔いがさめたら、うちに帰ろう』と『海炭市叙景』。どちらも現代社会にうまくついていけない、哀しみをたたえた男たちの姿が際立っている。

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2011年1月29日 (土)

コミュニティが世界を救う?

前から、「コミュニティ」という言葉に違和感があった。どうも机上の空論という気がしていたからだ。住んでいるアパートで実際に近所づきあいをするのはやはり億劫だし、仕事以外のサークル活動的なことをする暇はない。しかし、広井良典氏の『コミュニティを問い直す』を読んで、少し世界が広がった気がした。

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2011年1月28日 (金)

「マモシメ」ではダメだ

昨日の朝日新聞朝刊社会面の片隅で、気になった言葉があった。「マモシメ」。日本航空が「世界で最も定刻通りに到着できる国際線」という、米国の調査会社によるランキングで2年連続世界一になったという報道に対して、女性社員がその理由を述べるのに使った言葉らしい。

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2011年1月27日 (木)

『カイエ・デュ・シネマ』ベストテンの原理主義

フランスに『カイエ・デュ・シネマ』という映画雑誌がある。かつてはゴダールやトリュフォーたちヌーヴェル・ヴァーグの監督たちが生まれた神話的な雑誌だが、今でも世界各地の映画ファンの尊敬を集めている(かくいう私も年間購読をしている)。この雑誌は毎年年末にその年のベストテンを決めるが、その結果を載せた号が最近手元に届いた。

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2011年1月26日 (水)

肉感的なイタリア語

イタリア語というのは、日本人の耳には肉感的な音が多い。場合によっては卑猥にさえ聞こえる。例えば85という数字はイタリア語ではカタカナで書くと「オッタンタ・チンクエ」となる。変な場面を想像しそうだ。そんなアホなことを考えたのは、岡田温司氏が岩波新書で出した新刊『グランドツアー』で「チチスベイ」という言葉を見つけたからだ。

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2011年1月25日 (火)

日本映画に久々の新風

久しぶりに日本映画に新風が巻き起こったような気がした。4月1日公開の前田弘二監督、吉高由里子主演『婚前特急』のことだ。最近は、劇場用長編第一作などは普通試写には行かないが、これは妙に気にかかった。題名がルビッチの『極楽特急』を始めとした数本を思わせたこともある。

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2011年1月24日 (月)

現代美術がわからなくなったのかもしれない

現代美術を好きになって、20年以上たつ。しかし先日見た「トランスフォーメーション」展が苦手だったことに続いて、またまた好きになれない現代美術展を2つ見た。「小谷元彦展」と「曽根裕展」。

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2011年1月23日 (日)

朝日の文化面は大丈夫か

先日友人と酒を飲んでいたら、いきなり前日の朝日新聞の夕刊文化面を取りだして、「この編集委員の大西若人の文章は、2度読んだが全く意味不明だ」と言う。「拝啓 伊達直人様」に始まる文章で、最近流行りのランドセルのプレゼント現象を巡っての記事だった。その場で私ももう一度読んだが、確かに何を言いたいのか皆目わからなかった。

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2011年1月22日 (土)

人前で話すことが苦手な人のための映画

教師をしているくせに、実は私は人前で話すことが苦手だ。小さな宴席で周囲の笑いを取るのはできるが、送別会のスピーチとなるともうだめだ。気のきいたことが言えない、肝心なことを言い忘れる等々。とりわけ前の職場はスピーチがうまい人が多かっただけに、いつも劣等感を抱いていた。『英国王のスピーチ』は、そんな人前で話すことが苦手な人のための映画である。

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2011年1月21日 (金)

ヤクザ映画のプロデューサーの話

先日、『ヤクザと日本』という本について書いたが、その延長線上でヤクザ映画の名プロデューサー、俊藤浩磁氏に山根貞男氏がインタビューした『任侠映画伝』を読んだ。これがまさに映画のようにおもしろい。俊藤浩磁という名前は東映のヤクザ映画を見るといつも製作者として最初に名前が出てくるので、てっきり東映の社員か役員だと思っていたが、これが違った。

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2011年1月20日 (木)

極上のクスクスとパエリアを食べられる店

ミシュラン・ガイドには「遠回りしてでも訪れる価値がある店」という表現がある。これは現在のようにガイドが都市別ではなくて国別で、ガイド片手に車でバカンスを楽しみながら、どこに行くかを決めていた時代の名残である。しかし現代にもその表現がぴったりの店が、西武池袋線の江古田駅前にある。私の知る限り、まだどこのグルメガイドにも載っていない。

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2011年1月19日 (水)

朝から実写版「ヤマト」を見る

朝の10:10分の回で、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』を見た。新宿ピカデリーのポイントがたまって無料で1回見られるというのが最大の理由だったが、興収が40億円に迫りつつあるというニュースを読んで、いったい誰が見ているのだろうかと気になったこともあった。

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2011年1月18日 (火)

ヤクザの歴史を考える

DVDで高倉健の『昭和残侠伝』や藤純子の『緋牡丹博徒』、あるいは菅原文太の『仁義なき戦い』などのシリーズを立て続けに見たせいもあって、日本のヤクザについて本当のところを知りたいと思っていた。そんな時手に取ったのが、新書版の宮崎学著『ヤクザと日本』。

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2011年1月17日 (月)

「新聞の映画評」評:体裁

新聞の映画評というのは、おおむね金曜日の夕刊に載る。かつては朝日だけ違ったが、最近は金曜になった。映画の広告も金曜夕刊なので、映画ファンは金曜夕刊を見れば翌日から何が始まるかよくわかる。一見どれも同じように見えて、よく読むと、その体裁と内容は、新聞によってかなり違う。

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2011年1月16日 (日)

「トランスフォーメーション」展はつまらない

東京都現代美術館で1月30日まで開催されている「トランスフォーメーション」展を見るために、寒い中を木場まで行った。予想はしていたのが、本当につまらない展覧会だった。この美術館の学芸課長である長谷川祐子氏と多摩美大の中沢新一氏の共同企画らしいが(展覧会の入口にまでデカデカと書かれている)、とにかく見ておもしろい作品がない。

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2011年1月15日 (土)

宗教の不寛容をめぐる映画2本

日本人に宗教は縁遠いと言われるが、とりわけ宗教の不寛容をめぐる話は理解しにくい。たまたま同じ日に試写で見た映画2本は、まさにそれがテーマだった。1本は2月19日公開の『サラエボ、希望の街角』、もう1本は3月5日公開の『アレクサンドリア』。

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2011年1月14日 (金)

やはり笹川良一は嫌いだ

『悪名の棺 笹川良一伝』を読んだ。読売新聞と週刊現代の書評を読んだことが理由だが、そもそもこの種のブラックな大物には興味がある。田中角栄とか正力松太郎とか、あまり非難する気にならない。しかしこの本を読んだら、笹川良一に対する関心は増すどころか逆になくなってしまった。

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2011年1月13日 (木)

恵比寿ガーデンシネマに『人生万歳!』を見に行こう

恵比寿ガーデンシネマがこの月末になくなる。これはちょっとしたショックだ。1994年秋にできてまだ16年なのに。特にここはウディ・アレンの新作をよく上映していて、それがぴったりの上品な劇場の造りと大人の客層だった。そんなわけで、1年半前にパリで見ていたにもかかわらず、この劇場の最後の映画となったウディ・アレンの新作を見に行った。

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2011年1月12日 (水)

「日本画」の前衛とは

映画や本と違って展覧会の場合は、予想とはるかに違う、ということは少ない。いい作品が揃っていない、というような質的な失望はあっても、だいだい考えた内容が並んでいるものだ。ところが竹橋の東京国立近代美術館で見た「『日本画』の前衛」展は、私の想像と全く違う内容だった。

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2011年1月11日 (火)

『アンストッパブル』に手を握り締める

最近、シリアスな映画ばかり見過ぎたので、正月明けにスカッとしたこれぞハリウッド映画というのを見たいと思った。朝日新聞で山根貞男氏が「走る列車を止める。ただそれだけの話なのにおもしろい」と書き始め、「見終わって、これが映画だと理屈抜きに思う」と締めていたので選んだ。

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2011年1月10日 (月)

『荒地の恋』に見る中年男の恋愛

今年で50歳になる。だからというわけではないだろうが、友人からねじめ正一著『荒地の恋』という小説を読んだらと貸してもらった。数年前に話題になって気になっていたが、読んでいなかった。詩人の北村太郎が田村隆一の妻と恋に落ちてからの顛末で、詩人や作家が実名で登場する。久しぶりに読んでいて止まらなくなるほど、おもしろかった。

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2011年1月 9日 (日)

シャブロルの高笑い

去年亡くなったクロード・シャブロルの『引き裂かれた女』の試写を見た。去年の東京国際映画祭で上映された遺作『ベラミ』の一つ前の作品だが、決してできのいい作品とは言えない。しかし謎のような結末も含めて、全体に漂う後味の悪さと不完全燃焼感が不思議な魅力を放つ。

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2011年1月 8日 (土)

3Dに見えた中村ハルカの写真

恵比寿の写真美術館で、3本の展覧会を見た。正確に言うとウディ・アレンの『人生万歳!』を見ようと早めに着いて番号札を取った後に、空いた時間で見た。実は一番期待していた「3Dヴィジョンズ」という展覧会は、力が抜けるくらいおもしろくなかった。

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2011年1月 7日 (金)

中国映画はどこに向かうのか

中国で2000万の観客を集めたという『唐山大地震』を見て思ったのは、中国映画はハリウッドを目指しているのではないだろうか、ということだ。まず地震のカタストロフを巨大なセットとCGを駆使して迫力満点で見せ、その後の30年余を一つの家族を中心にしたメロドラマとして描く。

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2011年1月 6日 (木)

『俺俺』の増殖

新年早々、妙な小説を読んでしまった。星野智幸の『俺俺』。年末の「今年の3点」で取上げていた人が多かったことや、石田徹也の奇妙な絵が表紙に使われていたのが買った理由だ。実を言うと、私はこの小説家の作品を読んだことがなかった。読んでみて、何とも気持ちの悪い読後感に襲われた。

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2011年1月 5日 (水)

カンディンスキーのスリリングな変容

正月早々、三菱一号館美術館の「カンディンスキーと青騎士」展を見た。カンディンスキーは、ポンピドゥ・センター所蔵のものなど晩年の作品を見ることが多く、いつか初期のドイツ時代のものをじっくりと見たいと思っていたので、良い機会だった。

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2011年1月 4日 (火)

去年の記憶に残った映画:映画祭など

例年、記憶に残る映画の中には、映画館で上映されなかったものが多い。劇場公開されたものについては先日ここで書いたので、今日は映画祭などの特別上映で忘れ難いものをいくつか挙げたい。まず、去年一番おもしろかった映画祭は、フィルムセンターの「ポルトガル映画祭2010」だった。

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2011年1月 3日 (月)

俵屋宗達とマティス

正月から刺激的な本を読んだ。古田亮氏の『俵屋宗達 琳派の祖の真実』だ。古田氏の名前は、2004年に東京国立近代美術館で「琳派RIMPA」展という展覧会を企画した学芸員として覚えていた。琳派の展覧会と銘打って、入口にクリムトを展示した人である。

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2011年1月 2日 (日)

年末の身辺整理

この数年間、ほとんど2年おきに仕事を変えていたので、落ち着かなかった。その意味で今年の正月休みは本当に久しぶりにゆっくりした気分になれた。気がついてみると、机の周りは未整理の書類や手紙や写真で一杯。年末の2日間をかけて、整理した。

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2011年1月 1日 (土)

正月の新聞はつまらない

最近はテレビを見ないが、小さい頃、正月のテレビはどれもつまらない、とよく思っていた。今朝、朝日新聞を読みながら正月の新聞は何とつまらないのか、と思った。1面から始まってページを繰っても繰っても、正月のご祝儀のようなわざとらしい記事が並んでいる。そしてあの分厚い別刷りは、エコの時代に何という紙の無駄使いだろうか。

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