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2011年1月28日 (金)

「マモシメ」ではダメだ

昨日の朝日新聞朝刊社会面の片隅で、気になった言葉があった。「マモシメ」。日本航空が「世界で最も定刻通りに到着できる国際線」という、米国の調査会社によるランキングで2年連続世界一になったという報道に対して、女性社員がその理由を述べるのに使った言葉らしい。

「遅れない理由は地道なマモシメです」。「マモなく搭乗シメきります」と大声で叫ぶことを社内で言う言葉らしい。これを聞いて、だからJALはダメなんだ、と思った。

確かに、飛行場のターミナルで航空会社の職員が大声を挙げて走りまわっているのは、国内の空港ではよくある風景だ。時間になったら飛行機は出発するのが当たり前なのに、とにかく面倒見がいい。外国では見たことがない。理由が何であれ、遅れたら乗れない。その場合には、状況に応じた対策を取るだけだ。

こんなことに人員を使っているから、日本の航空会社は採算性が悪くなる。それに、たとえ15分遅れてもたいしたことではない。飛行機、ことに国際線は遅れるのが当たり前だ。
そして日本の旅行者は甘やかされる。国際線は、あらゆる不測の事態が起こる。表示を見て人に聞いて自分で判断するしかない自己責任の世界だ。そこに日本式の過保護の論理を持ち込むから馬鹿にされる。

そういえば、去年の夏にベネチアに行った時にこんなことがあった。エール・フランス機は定刻にパリに着いたが、乗り換えは1時間しかない。それがわかっていた私は、飛行機を降りるとターミナルを駆け抜けた。途中で日本語のできるフランス人が「ベネチア行きの日本人の方」と呼び掛けていたが、無視して走った。税関で並んでいる大勢の人々に声をかけて前に入れてもらい、どうにか30分でゲートにたどり着いて飛行機へのバスに乗ると、最後のバスだった。乗り換え1時間の便を選んだのは、万一乗れなくても2時間後にもう1本あるからいい、とわかっていたからだ。
飛行機が出発準備に入ったところで、突然アナウンスの声。「日本人の団体が遅れているという連絡が入りましたので、出発がしばらく遅れます」という。待つこと約1時間、20名ほどの日本人がだらだらと現れた。その時のほかの観客のため息は、今でも思い出す。過保護の論理を海外に持ち込み、人に世話をしてもらっても遅れる日本人。

グローバルな世界で勝負しようと思うなら、まずは「マモシメ」的な精神を捨てないダメだと思う。組織の側も、利用する側も。

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