去年の記憶に残った映画:映画祭など
例年、記憶に残る映画の中には、映画館で上映されなかったものが多い。劇場公開されたものについては先日ここで書いたので、今日は映画祭などの特別上映で忘れ難いものをいくつか挙げたい。まず、去年一番おもしろかった映画祭は、フィルムセンターの「ポルトガル映画祭2010」だった。
20年ぶりにスクリーンで見たモンテイロ監督の『黄色い家の思い出』を始めとして、10年ぶりの『神の結婚』も抜群におもしろかった。オリベイラの『春の劇』やパオロ・ローシャの『青い年』、アントニオ・レイスの『トラス・オス・モンテス』も初めて見たが、鮮烈な印象を残した。
東京国際映画祭では、『一粒の麦』が最高で、『ジャック、舟に乗る』『ハンズ・アップ』などが記憶に残った。東京フィルメックスでは、『海上伝奇』と『溝』の2本の中国映画がすばらしく、『ハンター』も妙に後をひく映画だった。『溝』は劇場公開が決まったらしい。『ミスター・ノーボディ』『トスカーナの贋作』もすばらしかったが、こちらは最初から公開が決まっていた。
イタリア映画祭ではベロッキオの『勝利を』が抜群で、なぜ公開されないのかと思う。ラテン・ビート映画祭ではコッポラの『テトロ』がすばらしかったが、これも公開が決まっていない。
ベネチア国際映画祭で見たもので日本で公開して欲しいのは、シュナーベルの『Miral』アントニー・コルディエの『Happy Few』、マルトーネの『Noi crediamo』(我々は信じていた)、ベロッキオの『Sorelle mai』(最高の姉妹)、ビンセント・ガロの『Promises in the water』など。
昔は「こんなにいい映画が日本で公開されない」と憤っていた。しかし今では海外からDVDが簡単に買えるし、国内の映画祭も多いし、そもそもそんなにたくさん見られないしで、何だか怒りは失せてきた。今の洋画不況を見ると、しょうがないとも思う。
ちなみに去年見たうちで、今年始め劇場公開のおススメは、『ブンミおじさんの森』『神々と男たち』『Somewhere』『ウッドストックがやってくる』『ヤコブへの手紙』『ソーシャル・ネットワーク』『冷たい熱帯魚』『唐山大地震』あたり。
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