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2011年1月15日 (土)

宗教の不寛容をめぐる映画2本

日本人に宗教は縁遠いと言われるが、とりわけ宗教の不寛容をめぐる話は理解しにくい。たまたま同じ日に試写で見た映画2本は、まさにそれがテーマだった。1本は2月19日公開の『サラエボ、希望の街角』、もう1本は3月5日公開の『アレクサンドリア』。

『サラエボ、希望の街角』は、サラエボに住む都会的なカップルを描いたものだ。そろそろ子供が欲しいと思っていた矢先に、男は失職する。偶然に会った戦友から紹介してもらったのは、イスラム教色の強いコミューンの中での仕事だった。自らも厳格なイスラム教に染まっていく男に、女はついていけない。
そんな話が、女性の視点から淡々と語られる。冒頭の携帯カメラで男を撮影するシーンに始まって、女性の孤独が短いカットを積み重ねながら語られてゆく力作だ。明け方の川沿いの道のショットなど、サラエボの風景も印象的だ。ラストで髪を短くした女の表情に、力強い生きる意志を感じた。

それにしてもわからないことが多すぎる。そもそも男女のそれぞれの過去に何があったのか。サラエボの人々の宗教分布図はいかなるものか。好きな女性よりもイスラム教が大事とはどういうことか。イスラム教はおろか宗教がわからない私には、この映画を見るとイスラム教は自由を奪うとんでもない宗教のように見えてしまうが、そんなに簡単ではあるまい。

『アレクサンドリア』は、『海を飛ぶ夢』のアレハンドロ・アメナーバル監督の映画なのでアート系のものを想像していたが、レイチェル・ワイズを起用した英語による歴史大作だった。4世紀のエジプトのアレクサンドリアが舞台で、そこに生きる女性天文学者と彼女を支持する科学者たちは、キリスト教徒の攻撃に敗れ、図書館を明け渡す。さたに数年後、キリスト教徒はユダヤ教徒を弾圧する。
宗教的な対立の背景が今一つピンとこないまま、スペクタクルを見続けた感じだ。個人的には、図書館が奪われる前にできるだけ多くの本を持って逃げようとする人々のシーンが印象に残ったが。
そういえば昨年夏に横浜で「海のエジプト」展という展覧会を見たが、まさにこの時代のものが海底から発掘されて展示されていた。

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