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2011年1月13日 (木)

恵比寿ガーデンシネマに『人生万歳!』を見に行こう

恵比寿ガーデンシネマがこの月末になくなる。これはちょっとしたショックだ。1994年秋にできてまだ16年なのに。特にここはウディ・アレンの新作をよく上映していて、それがぴったりの上品な劇場の造りと大人の客層だった。そんなわけで、1年半前にパリで見ていたにもかかわらず、この劇場の最後の映画となったウディ・アレンの新作を見に行った。

もう一度見ようと思ったもう一つの理由は、日本語字幕で見たかったからだ。今回の映画は久しぶりにニューヨークを舞台にしたこともあって、登場人物、とりわけ主人公のおやじの機関銃のようなトークが見ものだ。その言葉のあやを、日本語で再度確認したかったという次第。

結果としては、やはり1度目よりおもしろかった。主人公(ラリー・デヴィッドという米国では有名なテレビの喜劇役者らしい)の毒舌は、かつてのビートたけしのように過激で、子供も老人も美女もことごとくけなす。年をとったウディ・アレンが普段思っているが言えないことを、全部言わせた感じか。
このおやじが、道で生き倒れになっていたお馬鹿な田舎娘と結ばれるという出だしだが、そこに娘の母や父親が現れて、恐るべき展開となる。その無軌道ぶりは、2度目でも十分におもしろかった。

時おり主人公が観客の方を見て「もう途中で帰ったかな」などと話しかける。これが嫌みになっていないのは、この役者の力量だろう。そもそもあれだけ人の悪口ばかり言いながら、憎めない感じだ。

この劇場では、閉館の28日までこれまでの話題作を上映している。そのチラシの裏にはこれまで上映した全作品のリストが載っていて、何とも懐かしい。オープニングのアルトマンの『ショート・カッツ』に始まって、半分は見ていると思う。『スモーク』『地球は女で回っている』『真夜中のサバナ』『ボウリング・フォー・コロンバイン』『過去のない男』『あの夏の子供たち』などなど。書いていたらキリがない。

2月末にはシネセゾン渋谷がつぶれる。年末の日経新聞で「凍えるアート映画」という2回の連載があって、昨年末までにこの3年で渋谷地区で8スクリーンがなくなったことが書かれていた。そしてこの2館で3スクリーン。大変なことになってきた。
ちなみにその記事では「2008年秋のリーマン・ショック後、配給会社は次々と倒産。残った配給会社も慎重になり……」と書かれていたが、リーマン以前にもっと大きな配給会社が何社も身売りをしたことの方が影響は大きい。経済新聞がこれではいけない。

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