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2011年2月 9日 (水)

引きこもり70万人の時代

『AERA』には「気になる数字」というコーナーがあって、先週号には内閣府の調査で15歳から39歳までのうち、引きこもりが69万6千人という数字が取り上げられていた。これはちょっと多すぎではないか。日本人の海外への留学生が9万人から6万人に減ったことを、「内向きになった日本人」などと嘆いている場合ではない。

私が教える大学でも、突然登校しなくなる学生がいる。私の学生時代だったら、インドに行ったとかいう類が多かったが、今は、あるできごとをきっかけに部屋に籠る。一人暮らしよりも、自宅の学生の方が多いかもしれない。こちらは親と相談しながら、携帯に電話をしたり、手紙を書いたりすることもある。

考えてみたら、学校だけでなく、前の職場でも会社に出て来られなくなる社員が何人もいた。心の中では「給料泥棒」と思いつつも、無理して温かく迎えていたのを思い出す。

そういえば去年の新聞記事に、hikikomoriという言葉が英国のオクスフォードかどこかの辞典に載ったという話があった。もはや「引きこもり」は日本特有の現象ではなく、高度資本主義やグローバリズムが生み出す、世界的な家族の形かもしれない。そんな奴は怠け者だ、と言ってすむ時代ではない。

学校も職場も、社会生活にうまく適応できない人々をもあえて抱えながら、一緒に生きてゆく方法を探すような場となるべき時代かもしれない。

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