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2011年2月10日 (木)

大森立嗣が描く若者たち

4月23日公開の大森立嗣監督『まほろ駅前多田便利軒』を見た。『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』ほどの衝撃はなかったが、十分におもしろかった。この監督はまっとうな道から外れた若い男たちを描くと、実に映画らしい場面を見せてくれる。

今回は瑛太と松田龍平のコンビだ。二人ともバツイチの30代という設定で、瑛太は東京郊外の架空の町、まほろ市で便利屋を経営していて、そこに中学からの友人の松田龍平が転がり込む。映画は二人の一年間を淡々と追いかけるのだが、その二人の掛け合いは実におかしくて、時々惚れ惚れするようなシーンが出てくる。

便利屋にチワワを預けて去いなくなった女を捜す時に、「よしわかった。行くぞ」と言うと、次にはもう海を走る車のシーンが出てくる。あるいは車のフロントガラスを割られた時に瑛太が「なんじゃこりゃー」と叫ぶと、松田は「誰?似てない」と言ったり。突然イージー・ライダーばりのサングラスをかけて、二人がトラックの運転席に並んだりもする。

前作と違って、ロードムービーではない。二人はまほろ駅前の店に留まっているだけだ、しかしなぜか車のシーンは多いし、それ以上に二人は精神的にさまよい続けている。目的のない、冷めた生き方をする若者二人に過ぎてゆく時間が、見ている者にもだんだんと沁みてくる。そこに甦る過去の記憶。

まほろ市というのは町田市を想定しており、実際に町田がロケに使われているが、個性のない町なだけにどこか懐かしく、この映画に妙にぴったりだ。ちょっと前の日本というか。

やはり大森立嗣は、久々の大型監督だ。

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