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2011年2月22日 (火)

絶望的な「恵比寿映像祭」

毎年、この季節になると、恵比寿の写真美術館で「恵比寿映像祭」なるイベントが開かれる。今年で3回目だが、これが毎回絶望的なほどにつまらない。2階、3階、地下の展示室全館にホールを使ったものだが、今年も見ておもしろいものはあまりなかった。

まず例によって、アピチャッポン・ウィーラセタクンがある。プロジェクターに映し出されたおぼろげな映像で、何がわかるだろうか。東京都現代美術館の「トランスフォーメーション」展もそうだったが、現代美術の学芸員は、とりあえず彼を入れると安心するみたいだ。

それからヤン・シュヴァンクマイエルのコラージュ作品を展示されているが、これも全くおもしろくない。アビチャッポンもそうだが、きちんと映画を見ないとその良さはわかるまい。

かろうじて、黒坂圭太や松本力は、ドローイングとモニターの二つを見ていると、それぞれの世界は伝わってくる。それにしてもスクリーンで見た方がいい。

そのほかの思わせぶりな映像の連続は、ひたすら退屈だ。地下のかなりを使ったしりあがり寿の映像も、おもしろくもおかしくもない。

結局、「映像」という曖昧なくくりでやるからダメなのだと思う。現代美術として見られるだけのコンセプト力を持っていないものを「映像」だからとありがたがり、映画としてスクリーンで見せたらまともなものを、無理に展示室に押し込める。
これが東京都の税金を使った無料のイベントだと思うと、怒りさえ覚える。来年は廃止して欲しい。続けるなら担当学芸員は交代すべきだ。

この企画は、これまで文化庁がここでやっていた「メディア芸術祭」が国立新美術館に行ってしまって、館として年間入場者数が激減するのを恐れて始めたものだと聞いたことがある。先日その「メディア芸術祭」を見に行ったが、そちらの方がずっとおもしろかった。アート、漫画、アニメ、エンタテインメント(ゲーム)の4つに分かれていて、どれもレベルが高い。妙にアートを気取った作品がほとんどないのもよかった。

「恵比寿映像祭」は27日まで。

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