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2011年2月21日 (月)

やっぱりおもしろいイーストウッド

イーストウッドの新作『ヒアアフター』は死後の話で、ちょっと変だという噂は聞いていた。『AERA』でも藤原帰一氏が「今回は一回休み」と書いていたと思う。で、公開二日目に見に行ったが、やっぱりおもしろかった。

確かに『ミリオンダラー・ベイビー』や『グラン・トリノ』のように、全編に力が漲った映画ではない。逆にわざと力を抜いたような、静かな映画なのだ。

アジアで津波にあったパリの女性ジャーナリストと、双子の兄を亡くしたロンドンの少年と、霊能力者だった過去を忘れたいサンフランシスコの男(マット・デイモン)の3人の人生が、「死後の世界」というテーマでロンドンを舞台に、軽やかに結びつく。

自分が信じる生き方をたった一人で必死で探そうとする3人に、見る者はいつの間にか共感してゆく。少年がマット・デイモンの力で兄の声を聞いて笑い、ブックフェアで出会った女性ジャーナリストにマット・デイモンが再会して手を握るだけで、不思議な感動が体を満たす。イーストウッドの魔術である。

それにしても冒頭の津波のシーンはすごい。久しぶりに見ていて身体的な恐怖を感じた。それが何だか幸せな気分で終わるのだから、返す返すも不思議な映画だ。

この映画が上映された新宿バルト9のスクリーンは、予想以上に若者が多かった。死後の世界だから年配の人が多いと思っていたが、今は若い人の方が死を考えるのかもしれない。イーストウッドの名前やマット・デイモンで若い人が動くとは思えないし。みんな感動している風だったのも、ちょっと驚きだった。

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