芸術選奨の結果を喜ぶ
今朝の朝日新聞で芸術選奨が発表されていて、いくつかの受賞者の名前が嬉しかった。一番痛快なのは、『ヘヴンスストーリー』の瀬々敬久監督。私はこの映画を見た直後に年間ベストワンと確信したが、辛うじてキネ旬ベストテンで3位に入ったくらいで、日本アカデミー賞などはかすりもしなかった。
ベルリン国際映画祭に出て、2つの小さな賞を取っていたのでひそかに喜んでいたが、今回は国内のそれも、文化庁の賞だ。業界団体や評論家たちは『悪人』と『告白』にばかり賞を挙げたのに、国がこのマイナーな映画を選んだのは何とも皮肉だ。
それから評論部門の晏妮(アン・ニ)さん。この方はたぶん1980年代から日本にいて、戦時中の中国における日本の映画製作状況を丹念に調べていた。その成果が大著『戦時日中映画交渉史』で、これを読むとこれまでのこの分野の本が噂話でしかなかったことがよくわかる。確か八百部しか刷っていないはずだが、よく選んだものだ。
あとは写真家のオノデラユキさん。パリに住むこの女性の写真は、実に奥深い。同レベルの写真家はほかにも何人かいる気もするが。
以上が文部大臣賞の中で気になった人で、次が新人賞。荻上直子監督と美術家の束芋さんや美術評論家の黒ダライ児さんはいいのだけれど、なぜ新人賞かは疑問だ。オノデラユキよりも束芋の方が明らかに有名だが。年齢なのか。このあたりが国の賞のいいかげんなところだろう。もっともっと本当の新人を選んだらどうだろう。
気になって選考委員を調べてみた。検索すると、文化庁の発表資料のPDFの一番最後に一覧が出ていた。自分が少し知っている分野で言うと、美術に比べて映画は委員がちょっと古い感じがする。知り合いもいるので詳細は省略。
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