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2011年3月 3日 (木)

「シュルレアリスム展」と「五美大展」

六本木の国立新美術館で始まった「シュルレアリスム展」を見に行った。ついでに開催中の「五美大展」というのものぞいたが、「シュルレアリスム展」がちょっと期待外れだったのに比べて、「五美大展」は予想以上におもしろかった。

「シュルレアリスム展」は駅張りのポスターで見ると、ずいぶん魅力的だ。マグリットやキリコなどの絵は遠くからもわかりやすく、かっこいい。ところが展覧会に行ってみると、意外におもしろくない。

理由は3つ。1つ目は、ポンピドゥ・センターの所蔵から選んだものなので、目玉の作品はマグリットにしても、マン・レイやデュシャンにしても、多くはもう何度も日本に来ていて、既視感がある。
2つ目は1966年のアンドレ・ブルトンの死までをカバーしているので、戦後はジャクソン・ポロックもシモン・アンタイも何でもありになって、ぼけてしまう。やはり1945年までが限度ではないか。

最後に重要な点は、シュルレアリスム絵画や彫刻は、あまり造形力やコンセプトが強くないと気づいた。戦前のミロの絵画やジャコメッティの彫刻などを見ると、そのオリジナルな造形に惚れ惚れするが、大半のシュルレアリストの作品は、思いつきのような作品が多い。
そのうえ、本や雑誌などの小さな資料類が多く、美術展としてはちょっと物足りない。その分写真を拡大したり、壁の色を変えたり、展示に工夫はしているけれど。
5月9日まで。

「五美大展」とは、武蔵美、多摩美、女子美、造形、日芸という都内の5つの美大の絵画科と彫刻科の卒業展だ。これが案外力作が多い。とりわけ武蔵美の入口あたりにあったいくつかの大作の絵画には驚いた。武蔵美が画力、造形力で他を圧倒している。次に力があるのは多摩美。少し保守的な作風が多いが。造形はずっとポップで、女子美はやはりガールズな少女趣味が多い。日芸は最も保守的に見えた。

それにしても5つの大学で1階と2階を使って、日展と同じくらいの巨大なスペースに作品が並んでいた(作品数は日展より少ないが)。5つの美大だけでこれだけの数の卒業生が毎年出るのかと思うと、みんな将来は何をするのだろうかと、心配になってしまった。こちらの展覧会は既に終了。

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