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2011年3月 2日 (水)

『ブルーバレンタイン』に唸る

アカデミー賞では主演女優賞のノミネートに終わったが、4月23日公開の『ブルーバレンタイン』は相当の力作だ。デレク・シアンフランスという監督の2本目の劇映画らしいが、細かに作り込まれた脚本と、丁寧に撮られた映像に唸ってしまった。

子供がいるカップルの一日を描いただけだが、小さな諍いがだんだん大きくなって修復不能になってゆく過程を、彼らの出会いの頃の映像を交えながら巧みに見せてゆく。

とりわけ、手持ちカメラで撮られた過去の映像がいい。例えば子供ができたと女が鉄橋の上で語るシーン。列車の音が印象的だ。その後に地下鉄の中で男は言う。「家族になろう」Let's be a family.

現在のシーンは痛々しい。誠実だが上昇志向の全くないペンキ塗りの男と、よりよい仕事を求める看護師の女。極めて現代的な格差婚で、今や世界のどこにもいそうなカップルだ。男の言うことが間違っていないだけに、見ていて息苦しくなる。男が病院で騒ぐシーンは、頼むから止めてくれと言いたくなった。
ラストの父の家の前の花火が、何とも物悲しい。

ほぼ一日の物語に一年間ほどの過去のシーンが細切れに散りばめているので、実は前半はよく理解できなかった。もう一度見たらもっとおもしろさがわかるような気がする。

この映画を見て、「これは自分たちのことだ」と思う30代夫婦は日本でも多いのではないだろうか。

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