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2011年3月15日 (火)

在日フランス大使館の怪情報に踊らされる

昨日職場に着くと、同僚が「フランス大使館の仏語ホームページを見てくれ」という。大使館が日本にいるフランス人に、放射能を浴びる危険があるから東京を離れて関西に行け、と呼び掛けているらしい。慌てて見てみると、日本語のページではなく、仏語ページのみにかなりショッキングな内容が書かれていた。

書かれたのは日曜夕方6時。以下は「地震:大使館からフランス人社会へ」という文章の要約だ。

原発事故をうまく抑えられない場合、放射能は数時間で東京にたどり着く。この情報は、政府関係者および一部の科学者にしか知らされていない。
大使館は以下のことを勧告する。東京に留まる特別の理由のないフランス人は、3日ほど関東地方から出ること。東京に留まる場合は、できるだけ屋内に留まり、換気扇を回さないこと。外出する時は必ずマスクをすること。日本に旅行を予定しているフランス人は、できるだけ中止すること。

私は同僚たちにこれを訳して、思わずマスクを買いに行った。フランスといえば、原子力開発では世界トップレベルだ。自国民だけを守ろうとするところがフランス的で、妙に信憑性があった。調べてみると、日本語でもパリ発の時事のニュースで流れて、それがヤフーニュースでも取り上げられたようだ。

ところが月曜午後3時、そのホームページは書き換えられた。「昨日の勧告を取り消す」と書かれている。まずパニックに陥らないこと、と書いた後に、「東京での放射能被害の可能性が全くないとする日本政府当局の考えを我々は支持するが、それでも東京に残る本質的な理由のない者は数日間関東地方を離れることを推奨することは、正しいと信じる」。ずいぶん持ってまわった言い方だ。
マスクや日本への旅行云々はなくなっている。前日の告知を読んだ在日のフランス人が、パニックに陥ったからだろう。多くは親子連れで関西に出かけようとしたのではないか。大騒ぎになって「勧告」の内容を和らげたのだろう。
気になったのが、今日着くフランスの救助隊は放射能除去のヨード剤を持ってきており、必要な者に配ると書かれていたことだ。なんだ、フランス隊は日本人の救助に来たのではないのか。

今朝起きてみると、午前2時半にさらにホームページは改訂されている。例によって「昨日の勧告を取り消す」。もはや関東から外に出ろとは一切書かれていない。「危険地区に近い者は水や食料を用意して家に閉じこもること」のみだ。
その代わりにヨード剤のことは、救助隊が確かに持ってきたことから、細かな利用法までずいぶん書かれている。

全く人騒がせなフランス大使館だが、大使館が自国民を守るということを、ここまで考えているとも解釈できる。自分は、かつて海外の日本大使館が邦人に対していかに冷たかったかを知っているので、こう考えるのかもしれないが。

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