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2011年4月 5日 (火)

『127時間』の一点突破

ダニー・ボイルという監督は、とにかく設定で勝負する。『トレインスポッティング』の昔から、SF『28日後…』や去年の『スラムドッグ&ミリオネア』まで、その巧みな仕掛けと話術と映像効果で映画を引っ張る。今回の『127時間』は、それがある意味で頂点に達した作品で、究極の一点突破映画である。

その一点とは何か。岩と岩の間に挟まって手が動かないという単純なものだ。アメリカのユタ州で、一人でロッククライミングを楽しんでいたアーロンは、落石に右腕をはさまれて身動きができなくなる。映画はそこからアーロンが脱出するまでの127時間を描く。

アーロンはさまざまな脱出の工夫をするが、そこに記憶や幻想も混じる。とうとう脱出かと思うと夢だったりする。見ている間中、挟まれた腕が自分のもののように痛く感じる。最後は究極の手段で脱出し、痛みは頂点に。そこまでの1時間を音楽や映像で盛り上げるだけ盛り上げて、腕だけでなく全身の身体感覚を刺激する。

設定と映像効果が勝負の、ほとんど抽象的な究極の感覚映画と言えよう。見ていてすいぶん興奮したが、見終わると、何だかうまく乗せられた感じもした。最後に実際の人物の映像が出て、これが実話だとわかる仕組みも含めて。
6月公開。

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