« 2011年3月 | トップページ | 2011年5月 »

2011年4月

2011年4月30日 (土)

イタリア映画祭2011:その(1)ゲストがゼロ

今年もゴールデンウィーク恒例のイタリア映画祭が始まった。かつて自分も関わったので思い入れのある映画祭だが、今年はイタリア人ゲストがゼロだという。地震の影響だろうが、来たい監督や俳優はいたことだろう。「ナシ」と決めてしまったイタリア政府側のいいかげんな人々の顔が見え隠れする。

続きを読む "イタリア映画祭2011:その(1)ゲストがゼロ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月29日 (金)

「新聞の映画評」評:GW映画

友人の映画記者が、会うたびに「“映画評”評をまた是非」と言う。というわけで、GWの公開映画について。今回は、今日が金曜日なので夕刊がない。従って一週間前の22日と場合によっては15日の新聞をあわせて考えて見た。

続きを読む "「新聞の映画評」評:GW映画"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月28日 (木)

高橋源一郎が「論壇時評」

今朝の朝日新聞を見て驚いたのは、論壇時評が高橋源一郎に変わったことだ。高橋源一郎といえば、かつては『さようなら、ギャングたち』などでポップな日本文学の旗手だったが、90年代からはピンク小説を描いたり、実生活でも何度も離婚したりとお騒がせなイメージだった。

続きを読む "高橋源一郎が「論壇時評」"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月27日 (水)

『さや侍』は映画ぎりぎり

妙なものを見た。6月11日公開の松本人志監督作品『さや侍』。実を言うと、この人がこれまで監督した2本を見たことがなかった。かなり話題になったのだが、なぜか食指が動かなかった。予告編をみるだけで、見たような気になったからかもしれない。今回『さや侍』を見て思ったのは、「映画ぎりぎり」ということだ。

続きを読む "『さや侍』は映画ぎりぎり"

| | コメント (27) | トラックバック (0)

2011年4月26日 (火)

テーマのない展覧会

国立新美術館が毎年開く現代作家のグループ展「アーティスト・ファイル」は、テーマがないのが特徴だ。通常、こうしたアニュアル展は一人の学芸員に選択を任せ、おのずとテーマや一貫性が出てくる。ところがこの展覧会は、学芸員全員で話し合ったのか、誰が選んだかを明らかにしていない。

続きを読む "テーマのない展覧会"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月25日 (月)

ふところに優しい神楽坂「まろうど」

最近、カメラマンやデザイナーやライターなどいわゆるフリーの仕事をしている友人たちが、一様に「仕事が減った」という。あちこちで雑誌がなくなったり、広報予算が削られたりしているらしい。自分は相変わらず月給取りだが、そうしたフリーの人々と飲みに行く時は気を使う。ワリカンであまり高いところに行くわけにはいかないからだ。

続きを読む "ふところに優しい神楽坂「まろうど」"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月24日 (日)

余命わずかの中年の映画:『海洋天堂』

先日、がんで余命わずかの中年の映画として、バルセロナを舞台にした『Biutiful ビューティフル』について書いたけれど、こちらは同じような境遇の中年の話でも中国の青島で展開する。『ビューティフル』はバルセロナの醜い部分を敢えて見せるようなところがあったが、こちらの青島の風景は何とも目に心地よい。

続きを読む "余命わずかの中年の映画:『海洋天堂』"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月23日 (土)

ネット社会の将来

佐々木俊尚氏の新刊『キュレーションの時代』を読んだ。「読んだ」というより斜め読みしたという方が近いかもしれない。書かれているのは、新聞やテレビや雑誌のようなマスメディの情報を人々は求めておらず、個々人が自分に必要なものをネットで選択する時代となったという内容だ。

続きを読む "ネット社会の将来"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月22日 (金)

1972年の時代が終わった

昨晩遅くタクシーに乗っていたら、私と同世代の運転手から「キャンディーズのスーちゃんが死んだよ」と聞かされた。思わず「何歳?」と聞くと、55歳だと教えてくれた。そして今朝新聞を見て、キャンディーズが1972年に発足したことを知った。

続きを読む "1972年の時代が終わった"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月21日 (木)

新藤兼人の何でもありの神業

もうすぐ99歳になる新藤兼人監督が昨年撮った『一枚のハガキ』を試写で見た。昨秋の東京国際映画祭で審査員特別賞を取って、その授賞式の発言などが話題になった映画だが、見ていなかった。見始めると最初はその芝居臭さが気になったが、途中からどんどん引きずり込まれてしまった。


続きを読む "新藤兼人の何でもありの神業"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月20日 (水)

内田樹の『映画の構造分析』に失望

内田樹の本はあまり読んだことがない。ニューアカに乗り損ねて居直った元インテリみたいで、どこか苦手な感じがしたからだ。唯一読んだ単行本が『日本辺境論』で、これはそれこそ居直りそのものの本だが、それなりにおもしろかった。そこで文庫になったばかりの『映画の構造分析 ハリウッド映画で学べる現代思想』を読んだが、これは本当に失望した。

続きを読む "内田樹の『映画の構造分析』に失望"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月19日 (火)

ホンマタカシのスノビズム

ホンマタカシという写真家がいる。かつて東京郊外を撮った写真を発表していて、審美的でない無機質な感じが印象に残っていた。初台の東京オペラシティ・アートギャラリーで大きな個展が始まったので、見に行った。全体として、スノビズムが漂ういささか不快なものだった。

続きを読む "ホンマタカシのスノビズム"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月18日 (月)

才気走るジュリア・テイモア版『テンペスト』

シェークスピアの『テンペスト』(日本語では普通『あらし』)は、あまり芝居に行かない自分がなぜかいくつも舞台で見ている。イタリアのストレーレルによるパリ、オデオン座の演出や、蜷川幸雄が埼玉で演出したものなど。どちらも鬼才の演出として知られるが、今回のジュリア・テイモアの映画化は、それらにも劣らないくらい才気走っている。

続きを読む "才気走るジュリア・テイモア版『テンペスト』"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月17日 (日)

新国粋主義のススメ

先日このブログで「陰翳礼讃のススメ」などと書いたが、事態はそんな呑気なものではなくなってきた。ニュースによると、3月の都内のホテルの稼働率が5割を切って過去最低だという。地震後、東北の多くの温泉旅館がキャンセルされたという記事は前に読んだが、都内のホテルの場合は、外国人の来日が激減したことが原因だという。

続きを読む "新国粋主義のススメ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月16日 (土)

『八日目の蝉』を読む

角田光代の小説『八日目の蝉』を読んだ。29日に公開の映画版を見て、その展開のうまさに唸ったので、原作を読んでみたくなった。読後の感想を一言で言うと、小説も同じくらい感動した。同時に映画と小説の違いもよくわかっておもしろかった。

続きを読む "『八日目の蝉』を読む"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月15日 (金)

余命わずかの中年の映画:『Biutiful ビューティフル』

末期ガンで余命わずかと宣告された中年が、残された日々を子供とどう生きるかという内容の映画を、最近2本続けて見た。メキシコ出身のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督がバルセロナで撮った『Biutiful ビューティフル』と中国のシュエ・シャオルー監督の『海洋天堂』。ともに妻に去られて、中年男が一人で悩む点も似ている。

続きを読む "余命わずかの中年の映画:『Biutiful ビューティフル』"

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2011年4月14日 (木)

春の散歩

「散歩」というものが、長い間苦手だった。忙しいのに、あてもなくフラフラ歩くなんてと思っていた。英語や仏語には「付近をひとまわりしよう」という表現があり、外国でそう言われると、正直頭がくらくらしたものだ。ところが最近は、その散歩が大好きになった。

続きを読む "春の散歩"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月13日 (水)

羽田澄子の遺言のような映画

羽田澄子というドキュメンンタリー監督がいる。今年85歳だが、元気に映画を撮り続けている。その新作『遥かなるふるさと 旅順・大連』を見た。映画は、彼女が少女時代を過ごした旅順を歩くという自伝的なもので、まるで遺言のように思えた。

続きを読む "羽田澄子の遺言のような映画"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月12日 (火)

明治の人々は本当に偉かったのか

福田和也氏の『昭和天皇 第一部』が文庫で出たので読んだ。昭和天皇という存在に興味があったからだが、読んでみてそれ以上に彼を取り巻く明治の偉人達の描き方に違和感を覚えた。本当に明治の人々は偉かったのだろうか。

続きを読む "明治の人々は本当に偉かったのか"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月11日 (月)

新世紀に化けたベロッキオ

去年の「イタリア映画祭2009」で上映されたマルコ・ベロッキオ監督の『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』(映画祭では『勝利を』の劇場公開が決まり、再見した。映画祭の前にDVDで見ていたから正確には3度目だが、何度見ても興奮する傑作である。

続きを読む "新世紀に化けたベロッキオ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月10日 (日)

桜の見え方

数日前の朝日の夕刊で、蜷川幸雄氏が若い頃は桜を桜として見られなかったと書いていた。春は受験などの失敗ばかりで、まともに桜が見られなかったという。私は長年の会社員生活を辞めて2年前から大学で教えているが、昔に比べると今は桜をじっくりと味わっているように思う。

続きを読む "桜の見え方"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月 9日 (土)

映画『八日目の蝉』はオーソドックスな力作

4月29日公開の『八日目の蝉』を見た。予告編やポスターで妙なオーラを感じて、気になっていたからだ。その予感は当たった。『八日目の蝉』は、近年珍しいオーソドックスな力作だ。

続きを読む "映画『八日目の蝉』はオーソドックスな力作"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月 8日 (金)

石原を当選させてはいけない

先日出た新聞各社の調査だと、石原慎太郎がまた都知事に選ばれる可能性が高いらしい。がっかりした。先日も地震直後に「日本人は我欲を洗い流すべき」という発言をしたが、これまでにもさまざまな暴言があった。障害者をバカにしたり、同性愛者を差別したり、外国人をからかったり。

続きを読む "石原を当選させてはいけない"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2011年4月 7日 (木)

青山真治の新たな挑戦

試写を見終わった時、知り合いの一人が「震災後に撮ったような映画ですね」と言った。設定はわざとらしく、リアリティが弱い。その中で沸き起こるいくつもの純愛。まるで何もなくなった後に、思いだけで作ったような純度の高い作品だ。

続きを読む "青山真治の新たな挑戦"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月 6日 (水)

若林亜紀氏は変わっていなかった

若林亜紀というフリー・ジャーナリストがいる。かつて役所の無駄を週刊誌などで徹底的に暴いて、実に爽快だった。ところが前回の参院選に「みんなの党」から出たのであれっと思っていたが、最近出たばかりの新書『体験ルポ 国会議員に立候補する』を読んで、変わっていないことがわかった。

続きを読む "若林亜紀氏は変わっていなかった"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月 5日 (火)

『127時間』の一点突破

ダニー・ボイルという監督は、とにかく設定で勝負する。『トレインスポッティング』の昔から、SF『28日後…』や去年の『スラムドッグ&ミリオネア』まで、その巧みな仕掛けと話術と映像効果で映画を引っ張る。今回の『127時間』は、それがある意味で頂点に達した作品で、究極の一点突破映画である。

続きを読む "『127時間』の一点突破"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月 4日 (月)

CIA恐るべし

なぜかスパイの話が大好きだ。国家機密とか、情報戦とかが出てくる本はだいたい手に取る。有馬哲夫著『大本営参謀は戦後何と戦ったのか』もその一冊。この著者はかつて『原発・正力・CIA』という本を読んだが、要するに公開されたCIA文書を読んで、日本の戦後史の裏面を暴くやり方だ。

続きを読む "CIA恐るべし"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月 3日 (日)

パオロ・ベンヴェヌーティの純粋映画

「純粋映画」と呼びたくなるような映画を撮る人がいる。フランスの(かつてはドイツ、今はイタリアで撮るが)ストローブ&ユイレ、ポルトガルのペドロ・コスタなどなど。物語を捨ててあらゆる効果を削ぎ落とし、音と映像の美しさを追求する人々だ。今回『プッチーニの愛人』で初めて日本の映画館で紹介されるイタリアのパオロ・ベンヴェヌーティもその系列に属する。

続きを読む "パオロ・ベンヴェヌーティの純粋映画"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月 2日 (土)

サルコジは日本に何をしに来たのか

フランスのサルコジ大統領が2日前に来日した。フランスと言えば今回の地震に際して、いち早く在日フランス人はフランスに帰国するか、関東より南に行けと煽った国だ。政府特別機を何台も用意してフランス人を帰国させ、ほかの外国人や日本人まで不安に陥れた。それから3週間近くたって、大統領は一体何をしに来たのか。

続きを読む "サルコジは日本に何をしに来たのか"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月 1日 (金)

「陰影礼讃」のススメ

今回の震災を受けて、これまでの日本人の生き方や社会を見直そうというような論調が目立つ。だけどそこに具体的な道は、あまり提示されていないようだ。そこで私は谷崎潤一郎にならって「陰影礼讃」を提案したい。これは個人ですぐにもできる。

続きを読む "「陰影礼讃」のススメ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2011年3月 | トップページ | 2011年5月 »