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2011年4月18日 (月)

才気走るジュリア・テイモア版『テンペスト』

シェークスピアの『テンペスト』(日本語では普通『あらし』)は、あまり芝居に行かない自分がなぜかいくつも舞台で見ている。イタリアのストレーレルによるパリ、オデオン座の演出や、蜷川幸雄が埼玉で演出したものなど。どちらも鬼才の演出として知られるが、今回のジュリア・テイモアの映画化は、それらにも劣らないくらい才気走っている。

まず最初の嵐のシーンからして、リアリティがない。そのうえアントーニオらがたどり着く島の、何もないあっけらかんとした風景といったら。衣装もシンプルで現代ファッションに近い。

そこでプロスぺローは、好き勝手に魔術を振るう。プロスぺローをプロスぺラという女性にしてしまい、ヘレン・ミレンが重厚に、そしてコミカルに演じる。それを取り巻くキャリバンやエアリアルがおかしい。とりわけエアリアルは呼べば空を飛んでいつでもやってくる存在で、プロスペラのあらゆる要望に答える様子が、CGを駆使して描かれる。ほとんどアニメのように何でもありだ。

展開も、息子を探すアロンゾーやアントニオたち、プロスペラとアエリアル、愛し合うアロンゾーの息子とプロスペラの娘、キャリバンと王の道化たちなど4つが同時進行し、めまぐるしく移り変わる。

あれよあれよと110分間、最後まで楽しんだ。さて、これで何を言いたかったのかというとわからなくなるが、最新の映像テクノロジーを駆使して、新しいテンペスト像を作り上げたジュリア・テイモアに拍手を送りたい。
それから、存在感が抜群で、かつ愛すべきプロスペラを演じたヘレン・ミレンは、軽くなりがちな現代的演出に英国的な重みを加えている。トム・コンティ、クリス・クーパー、アラン・カミングといったベテラン男優たちの味も生きている。難しいセリフの一つ一つが聞いていて楽しい。
6月11日公開。

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