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2011年4月 7日 (木)

青山真治の新たな挑戦

試写を見終わった時、知り合いの一人が「震災後に撮ったような映画ですね」と言った。設定はわざとらしく、リアリティが弱い。その中で沸き起こるいくつもの純愛。まるで何もなくなった後に、思いだけで作ったような純度の高い作品だ。

大学生の光司(三浦春馬)のまわりには、3人の女がいる。百合香(井川遥)は、ある男から秘密で写真を撮るように依頼された相手だ。子供を連れて都内のさまざまな公園を歩く百合香の無限の美しさ。義理の姉の美咲(小西真奈美)は、一人で颯爽と生きているように見えて、どこか孤独感を漂わせる。富永(榮倉菜々)は友人の元カレで、ボーイッシュな不思議な存在だ。

光司と富永の正面を向くショットの切り返しに小津安二郎を感じ、光司と美咲の長いショットに溝口を思い浮かべる。女が髪をとかし、ゆっくりとキスをする。美咲が二階に駆け上ったり、降りたりという設定は本当に小津みたいだ。

あえてそうした無理の多い場面で、映画らしさだけを際立たせようとしたのだろうか。それにしては、やはり設定が弱い気がする。それは最初の歯医者のシーンから感じた。

青山真治もまた、「純粋映画」に向かうのだろうか。
6月18日公開。

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