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2011年5月19日 (木)

泣けるイタリア映画

時々、イタリア映画には有無を言わさず「泣ける」ものがある。『自転車泥棒』とか『道』とか『若者のすべて』とか。最近では『ペッピーの百歩』や『輝ける青春』。先日、久しぶりに泣けるイタリア映画を見た。この夏公開の『人生、ここにあり』だ。

イタリアでは1978年のバザリア法以降、精神病院が次々に閉鎖され、社会とつながる協同組合の形で共同生活をするようになった。物語はその渦中の1983年が舞台で、労働組合を追い出されてその一つに送り込まれたマネージャーが、精神障害者の自立に向けて、七転八倒するというもの。

最初はこの種の映画にありがちなわざとらしさが気になったが、障害者たちが次々と仕事をこなして表情が変わってゆくにつれて、だんだんと乗ってくる。薬を少なくし、みんな元気になると女性が欲しくなって、集団で娼婦を買いに行ったり、そのうちの一人が好きな女性ができてデートをしたり。強引な展開もあるが、それも巧みなユーモア仕立てで、後半は何度か涙が出そうになる。

マネージャーががんばり過ぎて、恋人に「あなたは自分の仕事の自慢ばかりして私の仕事に関心がない」と言われたり、障害者の一人が悲劇的な結末を迎えるとマネージャーもすべてを捨てようと思ったり。笑って泣かせるばかりではないリアルなシーンも挟み込まれていて、現実に引き戻してくれる。

ジュリア・マンフレドニアという日本初紹介の監督の作品だが、騙されたと思って見たらきっと後悔はしないと思う。プレス資料によれば日本では35万人が精神病院に入院しているというが、これを見ると精神病患者とは何か、その治療とは何かを再考するきっかけにもなるだろう。

2009年のイタリア映画祭で『やればできるさ』の題で上映されて話題になった映画だが、見ていなかった。今年は過去のイタリア映画祭で上映されたもので、傑作が続々と公開される。これ以外では、『愛の勝利を』『プッチーニの愛人』『ゴモラ』『やがて来たる者』など。それから現在上映中のイタリア映画『四つのいのち』は、映画祭上映作品ではないが、必見の驚異の映画だ。

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